冬前に首都「機能不全」も ロシア軍攻撃で電力不足深刻―ウクライナ

東京, 11月20日, /AJMEDIA/

ウクライナ政府は18日、国内でエネルギー関連施設のほぼ半分がロシアの攻撃によって損傷し、使用不能になっていると明らかにした。ロシア軍はインフラを標的に攻撃を強化し、ウクライナ全土で電力不足が深刻化。首都キーウ(キエフ)当局者も、本格的な冬を前に首都全体が「全くの機能不全」に陥る可能性があると危機感を訴えた。
 ロイター通信によると、ウクライナのシュミハリ首相は18日の記者会見で「ロシアは民間の重要インフラへのミサイル攻撃を続行し、エネルギーシステムのほぼ半分が機能しなくなっている」と指摘。ゼレンスキー大統領も18日夜のビデオ演説で、電力供給が困難なのは首都と17州に及び、国民約1000万人が電力を使えない状態で生活を強いられていると訴えた。
 ウクライナ各地では、18日から19日にかけても攻撃が続いた。南部ヘルソン市から撤退したロシア軍は東部に戦力を振り向けているとみられ、ゼレンスキー氏によると、東部ドネツク州ではウクライナ軍が過去24時間に防御した攻撃が約100回に上った。同州の重要拠点バフムトや周辺地域で大きな被害が出ているもようだ。
 一方、ウクライナのイェルマーク大統領府長官は19日、通信アプリへの投稿で「ロシア軍を壊滅させ、(ウクライナが独立した)1991年の国境が回復された時点でのみ平和が訪れる」と主張。ロシアが一方的に「併合」した領土の奪還に向け、攻勢を続ける考えを強調した。
 ゼレンスキー氏は19日、キーウでスナク英首相と会談した。10月に就任したスナク首相のウクライナ訪問は初めて。英首相官邸によると、スナク氏は「ウクライナを支え続ける」意志を改めて伝達。ゼレンスキー氏も会談の動画を投稿し、「両国と世界安保にとっての最重要事項」について協議したと述べた。

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