住みやすい環境で働く意識が強まった–セガが札幌に開発スタジオを設立した狙いを聞く

東京, 12月27日, /AJMEDIA/

 「新型コロナの流行で、住みやすい環境で働くという意識が強まった」「Iターンとして、札幌に移住して働いている方がかなり多い」–北海道札幌市に設立された「株式会社セガ札幌スタジオ」(札幌スタジオ)代表取締役社長の瀬川隆哉氏は、インタビューでこのようなことを語った。

 札幌スタジオは、セガの国内開発スタジオとして2021年12月に設立。主にセガのIPに関するタイトル開発と、ゲームのデバッグ作業など品質チェックを担うという。設立の経緯をはじめとして、設立から約1年経過した現状や札幌の魅力をはじめ、今後の展望などを、瀬川氏とともに、常駐スタッフである研究開発部 部長の高柳智朗氏に聞いた。

瀬川氏: ゲーム産業の現状をお話ししますと、2023年には21兆円規模の市場に拡大すると予測されています。またゲームを取り巻く環境として、遊んでいただいているプレーヤーだけではなく、ゲーム実況のように配信して広げてくださるインフルエンサーの方、ゲームプレイを見て楽しむ方もいらっしゃいます。そのような方々を含めて、日々ゲームに関わっている方が大体32億人ぐらいで、全世界の40%がゲームに触れられているとされています。

 親会社であるセガとして、いろんな国々にゲームを提供、発信していくなかで、その国によって親しまれているプラットフォームやジャンルは異なるという現状があります。そして、ひとりでも多くの方にゲームを届けていくには、開発ラインの強化が必要であるという考えがありました。また、購入していただいたプレーヤーの方々に、バグや不具合で満足に楽しめず嫌な思いをさせてしまうというのも避けたいので、品質管理の強化もあわせて必要です。そのような組織を作りたく、新たに開発スタジオを設立したというのが経緯になります。

 これまでも、国内ではアトラスやプレイハート、海外でもM&Aなどで開発力の強化を図ってきました。東京のセガでも、開発力強化に向けた採用を行っていますが、厳しくなってきている状況があります。新型コロナの流行以降、東京から移住された方も少なくありません。住みやすい環境で働くという意識の高まりも、札幌スタジオ設立のポイントになりました。

 もうひとつ、セガという会社はチャレンジをするという精神が強いというところも背景としてあります。これまでも大ヒットしたタイトルもあれば、人知れず埋もれていったタイトルも多くあります。でも、チャレンジしたからこそ今でも記憶に残るゲームを提供できていると思います。そのチャレンジスピリットは、イチから会社を立ち上げて、集まったスタッフに啓発をしながらやらないと根付かないとも考えています。

――札幌に決めた理由は何でしょうか。

瀬川氏: 私自身、国内外含めて各地をまわることが多いですし、設立にあたってさまざまな都道府県、市町村に至るまで調査したのですが、やはり環境の良さ、住みやすい場所が大事という考えがあります。特に新型コロナの流行前と後では、働き方も含めていろんなものの考え方が変わったところがあります。

 新型コロナの流行前は、会社は従業員分の机と椅子を用意して働くというものでした。会社の立ち上げ段階では新型コロナの流行真っただ中だったのですけれど、かねてからIターン、Uターンという言葉もありましたし、少し前には働き方改革という名のもとで、在宅勤務や地方の遠隔地から仕事をするということにも着目されはじめていました。新型コロナの流行で、住みやすい場所で働くことにより多くの関心が集まりだしたので、みなさんが住みたい場所に拠点を置くことは重要視するべきというのが、まず背景にあります。

 札幌市については、北海道の中心部で大都会と言える場所です。人口は200万人近いですし、不便らしい不便はない。それでいて、20~30分ぐらい移動すれば大自然に囲まれているような立地の良さというのは、日本中探してもなかなかない。住みたい街のランキングにも上位に入っていますし、細かいところでは食べ物がおいしい、空気がうまい、住む場所も安いなど、魅力的で人が集まる街であるということは言えます。

 加えて、札幌はもともとゲーム会社も多く存在していて、専門学校やゲームに関わる人材を育てていく教育機関がある程度発展しています。かつてハドソンがありましたし、それが今はゲームのデベロッパーに変わっています。そういった環境があるというのは大きいです。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts