東京, 4月19日, /AJMEDIA
インターネット上の仮想空間「メタバース」の活用などを進める新たな業界団体が発足し、代表に就任した脳科学者の養老孟司さんがメタバースの可能性や課題について語りました。
インターネット上の仮想空間「メタバース」をめぐっては、世界中で事業に新規参入する企業が相次いでいるほか、教育や観光などの分野でも導入が進められています。
こうした中、「メタバース」を活用して高齢者など幅広い世代や地方に暮らす人たちも含めて交流を深める場にしようと新たに業界団体が発足し18日、都内で記者会見が開かれました。
団体では、メタバースの中で日本の文化や自然に身近に触れてもらう取り組みを進めるほか、参加者どうしの交流や商品の取り引きに関するガイドラインの整備について国などに提言していくとしています。
メタバースに関連した団体はこれまでにも複数設立されていますが、仮想空間におけるルール作りが不十分だという声も出ています。
養老代表「新たな興味や価値観 引き出す可能性秘めている」
団体の代表に就任した東京大学名誉教授で脳科学者の養老孟司さん(84)がNHKのインタビューに応じ、「メタバースは遠く離れた場所や過去の空間に移動して追体験できるので、新たな興味や価値観を引き出す可能性を秘めている。個人的にはメタバースを活用して海外の自然を同世代の高齢者や子どもたちに紹介していきたい」と、語りました。
そのうえで、「リアルとデジタルの“壁”がだんだんなくなってきており、仮想空間に過度に依存したり空間に入ることを強制されたりすることはあってはならない。新たな技術とどううまくつきあっていくか一人一人が考える時代になった」と話していました。