中国主席、対米にらみ外交攻勢 「裏庭」首相らと連続会談―バイデン氏との秋の協議見据える

東京, 6月29日, /AJMEDIA/

【北京時事】中国の習近平国家主席は27日、北京の人民大会堂でカリブ海の島国バルバドスなど4カ国の首脳たちと相次ぎ会談し、貿易や投資拡大について協議した。習氏の念頭には、今秋にも見込まれるバイデン米大統領との首脳会談があるとみられる。「米国の裏庭」とも称される中南米をはじめとした新興・途上国などを経済力で取り込み、優位に立とうとする中国の狙いがありそうだ。
 27日の会談相手は、バルバドスのモトリー首相、ニュージーランド(NZ)のヒプキンス首相、モンゴルのオユーンエルデネ首相、ベトナムのファム・ミン・チン首相の4人。
 習氏はモトリー氏に「冷戦思考と陣営対立」に反対する「運命共同体の構築」を提唱。「中国は気候変動問題における島しょ国の要求を十分に理解している」と語り掛けた。その上で「カリブ諸国の経済、社会発展のための支援を提供し続ける」と強調した。
 伝統的に米国の影響力が強い中南米・カリブ諸国だが、近年は巨額の資金投入を続ける中国が存在感を増している。3月には、長年台湾と外交関係があったホンジュラスを中国に「くら替え」させることに成功。台湾に接近する米国に対し、外交的白星を挙げた。
 ヒプキンス氏とは、貿易や人的交流の拡大について協議。NZは安全保障面では米国やオーストラリアに頼るが、最大の貿易相手国は中国で、経済的な依存度が大きい。日米豪印の連携枠組み「クアッド」に神経をとがらせる中国は、巨大市場を武器にNZの懐柔を図っている。
 習氏とオユーンエルデネ氏は、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」での連携強化と、台湾問題など「核心的利益」における相互支持を確認した。チン氏との会談では、習氏がベトナムを「同じ社会主義国の同志」と呼んだ。経済関係を深めようと「より多くのベトナム製品を輸入したい」と秋波を送った。
 米中関係を巡っては、今月18、19日に訪中したブリンケン米国務長官が習氏と会談した。対話の機運が生まれつつあるが、台湾問題などを巡る米中両国間の亀裂は深い。今後も一進一退が続くとみられている。
 中国の謝鋒駐米大使は27日、シャーマン米国務副長官と電話会談した。「意思疎通の維持」で一致する一方、謝氏は「実際の行動によって(中国への)敬意を示し、台湾問題などを適切に処理する」ようくぎを刺した。

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