中国、貿易でロシア下支え 国境に初の道路橋

東京, 8月25日, /AJMEDIA/

ロシアのウクライナ侵攻から半年。日米欧が対ロ制裁を強化する一方、中国は貿易拡大などを通じてロシア経済を下支えしてきた。6月には中ロ国境のアムール川に初の本格的な道路橋が開通。両国は今後、さらに連携を強めていく構えだ。
 中国の貿易統計によると、今年1~7月のロシアからの輸入は前年同期比48.8%の大幅増。伸びは主要国で最も大きかった。輸出も5.2%増と堅調を維持。各国がロシアとの通商を制限する中、中ロ間の貿易は伸長が際立っている。
 初の道路橋が架かった黒竜江省黒河市の商店には、ロシア産の食料品などが豊富に並ぶ。アムール川では、対岸のロシア・ブラゴベシチェンスクを結ぶ船舶が何隻も行き来していた。新型コロナウイルス流行の影響で人的往来が止まっているため、橋の利用はまだ本格化していないもようだが、両国間の「モノの取引は活発」(地元の商店主)という。
 橋を見学していた高齢の中国人男性は、対ロ関係が緊張していた時の黒河は貧しかったと明かした上で、橋の開通が追い風となって「観光客が増えれば良い」と期待感を示した。
 ただ、連携強化が順調に進むかには不透明感も漂う。中国では、対ロ関係の緊密化が欧米の反発を招き、自国への制裁につながりかねないとの懸念がくすぶる。既に一部の中国企業はロシア事業を停止した。輸入急増も、制裁に伴ってロシア産原油が割安になったため、経済的な面から調達を増やした結果とみられている。
 一方、ロシアでも自国を大幅に上回る人口や経済力を持ち、冷戦期には国境で戦火を交えた中国への依存度の高まりを危惧する声は根強い。北京駐在の日系エコノミストは、米国と中ロの対立が深まる中、両国は相互依存を深めていると分析。ただ、今後については「国際情勢などに左右される」との見方を示した。

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