与正氏、韓国「相手にせず」 こう着状態続くと専門家

東京, 8月20日, /AJMEDIA/

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹の与正党副部長は、非核化の見返りに経済支援するという尹錫悦韓国大統領の提案について「絶対に相手にしない」と拒否する談話を出した。礒崎敦仁・慶応大教授(北朝鮮政治)は19日、「国内向けにも大々的に報じており、南北関係のこう着状態が当分の間継続することを予告した」と分析した。
 尹氏が15日に表明した「大胆な構想」は、北朝鮮が核開発を中断し、実質的な非核化に転換すれば、食料や発電・送電インフラ、港湾・空港の整備などの支援を進めるという提案だった。与正氏は談話で「非核化措置を取るなら」という前提から間違っていると強調。尹氏が非核化を取り上げたことを「格に合わない」と非難した。
 これについて、韓国統一研究院の洪※(※王ヘンに民)・北朝鮮研究室長は、交渉の前提を拒否し「核は韓国との交渉対象ではなく、米朝の交渉議題という点を確認した」と指摘した。
 与正氏は「大胆な構想」が保守系の李明博元大統領が掲げた構想「非核、開放、3000」の「複写版」だとやゆした。礒崎氏は「大統領選から既に5カ月が経過しており、北朝鮮は新政権の動向を観察してきた。検事出身で政治経験がなかった尹氏の対北朝鮮政策には李政権のブレーンが携わっており、政策も似通っている」と解説した。
 礒崎氏は、構想が「北朝鮮にとって『上から目線』の不愉快なものであり、正恩氏の率直な不満を与正氏が代弁した形だ」と指摘。「北朝鮮側は、米朝関係の進展によって制裁解除が実現しない限り、韓国から経済協力に関する合意を取り付けても履行が困難なことを、文在寅前政権とのやりとりで痛感している」と語った。

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