ワグネル移転に戦々恐々 NATOに防衛強化要請―ベラルーシ隣国

東京, 6月29日, /AJMEDIA/

【ベルリン時事】ロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏がベラルーシに入国し、ワグネル部隊も拠点を移す可能性が強まる中、ベラルーシと国境を接する東欧諸国が戦々恐々としている。ロシアのウクライナ侵攻を受け、既に北大西洋条約機構(NATO)の前線として防衛力強化が図られてきたが、各国は対応を加速させるよう訴えている。
ベラルーシ大統領「核兵器警備させない」 ワグネル「共存」、不明点多く

 「NATOの非常に断固とした応答が必要となる」。ポーランドのドゥダ大統領は27日、オランダで開かれたNATO関連会合での共同会見で、ワグネルのベラルーシ移転に際しては、NATOとして一段の防衛強化策を打ち出さなければならないとの認識を強調した。リトアニアのナウセーダ大統領も「ワグネルの連続殺人犯たちが来れば、周辺国が不安定になる危険性がさらに高まる」と警戒感をあらわにした。
 ロシアの元受刑者らも加わったワグネル部隊は、ウクライナ東部の要衝バフムトで多大な犠牲を払いながら一定の戦果を挙げ、今回の反乱では進軍の俊敏さも見せた。
 リトアニアのランズベルギス外相は26日、「(ベラルーシから)われわれの国境までどれほど早く到達するか想像してほしい」と警告した。ワグネルは国家に帰属していないため、国境が侵されても国家に責任を問えない可能性がある。別のリトアニア高官は27日、「こうした事態に対応する必要がある」と説明し、ベラルーシがワグネルを保護するなら連帯責任を負うべきだと指摘した。
 ポーランドでは早くも25日にモラウィエツキ首相がベラルーシとの国境沿いを視察し、警備の強化を指示した。
 ラトビアのリンケービッチ外相も27日、訪問先のパリで「(ワグネルの)動向を注意深く監視している。必要に応じて、欧州連合(EU)やNATOの支援を期待している」と述べた。

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