ロシアのガス輸送管、点検入り 供給が長期停止も―独

東京, 7月12日, /AJMEDIA/

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム」は11日、定期保守点検作業が始まった。作業終了は21日の予定で、この間、ガス供給は停止する。ウクライナ侵攻を非難して制裁を強化する欧州に揺さぶりをかけるため、ロシアが点検を長引かせ、供給再開を先延ばしにするのではないかとの懸念が強まっている。
 DPA通信によると、ノルドストリームは11日早朝から稼働が段階的に停止。供給量は数時間かけて完全にゼロになるという。停止中、ロシアから欧州に輸送管でガスを運ぶルートはウクライナ経由のみとなる。
 ドイツは、ロシアが点検作業を長期化させ、ガス備蓄が不十分な状態のまま冬場を迎える事態を警戒。ハーベック独経済・気候保護相は10日の地元ラジオ局のインタビューで、ガス不足から暖房需要を満たせず、政府が介入して供給先を選択するような「悪夢のシナリオ」を避けるには、省エネが不可欠だと訴えた。
 ロシアは6月、ノルドストリーム経由のガス供給量を最大輸送能力の4割に削減した。カナダで修理した輸送管のタービンが制裁の影響で戻ってこないためだと主張。返還されれば供給を増やすとしている。
 これを受けてカナダは今月9日、タービンを制裁の適用外とし、返還する方針を発表した。ただ、ウクライナが「制裁の効果を弱める」と反発し、西側の結束が試される事態となっている。

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