ベネッセ、「進研ゼミ」会員向けに生成AI活用の新サービス–「活用する力」を養う

東京, 02月02 /AJMEDIA/

「進研ゼミ」を運営するベネッセホールディングスは2月1日、生成AI「ChatGPT」を活用する新サービス「チャレンジ AI学習コーチ」を発表した。3月下旬から提供する。

チャットでいつでも質問、生成AIも活用してすぐ回答
 チャレンジ AI学習コーチは、「進研ゼミ小学講座・中学講座」の会員となる小学4年~中学3年生が対象。小学生は「チャレンジ AI学習コーチ いつでも質問チャット」として3月25日から、中学生は「チャレンジ AI学習コーチ スピード疑問解消チャット」として3月20日から提供する。
対応教科は、小学生は国語、算数、英語、学習法。中学生は国語、算数、英語、理科、社会、学習法となる。受講費内でいつでも・わかるまで質問可能で、「上手なノートの取り方」「集中力が続かない」といった学習法の相談にも回答する。

 問題の答えを直接教えるのでなく、子どもたちの疑問に寄り添い、AIキャラクターと対話しながら考え方や視点を広げるようサポートし、自ら答えにたどり着けるよう開発。質問から最短約3分で回答にたどり着けるという。
なお、チャレンジ AI学習コーチの生成AIを活用した機能を利用する際、事前に保護者の同意が必要。同意後も、「保護者サポート」サイトからいつでも機能を停止できる。また、生成AIを活用した機能の利用は、1日、1カ月の利用回数に制限があるとしている。

2023年4月から生成AIに着手–“活用する力”を養う教育へ
 同社の生成AI活用は、2023年4月に社内の業務改革向けへの活用から始まったという。

 2023年7月には、自由研究の支援を目的としたサービスを提供。ベネッセコーポレーション 校外学習カンパニー カンパニー長 成島由美氏は、「子どもたちにAIを活用させることがいいのか悪いのか、意見が別れる中での挑戦だった。今日に至るまでのさまざまな検証ではネガな言葉はほとんどなく、家庭や専門家の方からは、“これからの時代はこういったものを活用する力が必要”という意見が寄せられた。AIの先生が教えてくれる、そういった新しい学びスタイルを提案していきたい」とし、AI活用を推進した背景を説明した。

55年のノウハウを凝縮–テクノロジー活用しつつ“一人一人に寄りそう”指導も
 チャレンジ AI学習コーチには、今までベネッセが55年積み上げてきた指導ノウハウを凝縮させたという。

 「ベネッセの進研ゼミという事業は、おそらく日本で一番、もっと言うと地球上で一番、筆談をしてきた。私たちは『赤ペン先生』や『質問相談サービス』で子どもたちから、こういうことがわからない、テーマが思い浮かばない、宿題に困っているなど、さまざま質問を受け、答えてきた。3週間から2週間、1週間、そしてデジタルと、便利な道具をうまく使いながら時代に応じた速さで疑問解消や回答の時間を狭めてきた。これまで人の手を使ってやってきたことにAIの力を借り、われわれが作ってきたわかりやすい解説を組み込みながら、この新しいサービスを開始したい」(成島氏)

また、封書やデジタルなどで人が指導する赤ペン先生については、「赤ペン先生のサービスは継続するが、高齢化している先生方もおり、自然に縮小していくだろう。AIなどを代わりに使いながら、“いつでもどこでも何度でも”を広げていきたい」という。一方、志望校ごとの進路の専門スタッフや障害者向けなど、幅という部分でより一人一人に寄りそう、専門性が高い指導サービスは展開していきたいと話した。

 発表当日は、2月2日から放映する新CMに出演する向井理さんが、チャレンジ AI学習コーチを体験。「勉強はやらされているイメージが強く、自分も“勉強”に拒否反応が出ていた。AIなどの興味を持たせてくれるツールで、興味を持ったところから勉強に入っていけば、苦手意識無く楽しんで勉強ができるのでは」と、チャレンジ AI学習コーチで楽しく勉強できそうと感想を述べた。

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