バルト海要衝の島で射撃訓練 新兵「ロシア怖くない」―スウェーデン

東京, 8月24日, /AJMEDIA/

ロシアと北大西洋条約機構(NATO)のにらみ合いで緊張が高まる欧州北部バルト海のスウェーデン・ゴトランド島。同国軍ゴトランド連隊が島内にある射撃演習場で23日行った演習を取材した。入隊したばかりの新兵たちが射撃訓練に参加。兵士らは「ロシアは怖くない」などと述べ、対ロシアを念頭に置いた領土防衛への意気込みを語った。
 島の中心都市ビスビュー郊外の演習場。若い兵士13人が一列に並び、人型の標的に向かって一斉に銃を構えた。教官が号令をかけると「パン、パン」と大きな銃声。全員新兵だが、これまでの訓練で銃の扱いにはある程度慣れたようで、戸惑った様子は感じさせない。
 バルト海の戦略的要衝であるゴトランド島は冷戦時、最大2万5000人の動員能力があったが、冷戦終結後に常駐軍は島から撤退、政府は徴兵制を廃止した。しかし2014年のロシアによるクリミア半島併合後、島には軍が戻り、徴兵制も復活した。今回のウクライナ侵攻を受けて一層の増強を図るゴトランド連隊は新兵増員に注力。連隊の広報担当トマス・アンサマル氏によると、来年は受け入れ人数を倍増させる計画という。
 訓練に臨むユアル・カールソンさん(19)は3週間前に入隊した。これから約10カ月間、兵士としての基礎訓練や実践教育を受けるといい、いずれは戦車砲手として配属される見込みだ。「早朝の起床など規則は厳しいが、訓練は面白い」と屈託ない笑顔。「ロシアは怖くない。攻撃されてもわが軍には(反撃)能力がある」と胸を張った。
 エリク・アールボーグさん(19)はストックホルム出身。島への配属を自ら希望し、やはり戦車砲手になる予定だ。島はロシアの飛び地カリーニングラードに近く、「(情勢は)気掛かりだが、指揮官を信頼している」と語り、「有事」にもひるまない姿勢を見せた。

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