ドイツ新政権、対中姿勢修正鮮明に 「価値」重視、アジア外交多角化

東京, 12月09日, /AJMEDIA/

ドイツ社会民主党(SPD)のオラフ・ショルツ氏を首相とするSPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立政権が8日、発足した。親中的とみられてきたメルケル政権の方針を修正し、人権や民主主義など「価値観の共有」を重視する外交を展開する姿勢が鮮明。アジアでは日本を含む民主主義国との連携を通じた外交の多角化を進める方針だ。
 「世界には米中ロだけでなく、多くの強力な国がある」。ショルツ氏は首相就任を翌日に控えた7日の記者会見でこう語り、日本や韓国、インドを含む国名を挙げた。先月24日に3党連立に合意した直後の記者会見でも、同様の趣旨で日韓などに言及。連立協定にも「対中政策で米国と協調し、(中国への)戦略的依存を減らすため、志を同じくする国々とも協力する」との文言が盛り込まれた。
 メルケル政権でも、終盤の4期目には軍艦を日本などインド太平洋地域の民主主義国家に派遣し、中国をけん制する動きがあった。新政権はこうした姿勢をより明確にする見通しだ。
 「民主主義サミット」を開き、中国をけん制するバイデン米政権とは共同歩調を取る。ただ、トランプ前政権時代より関係が改善したとはいえ、米軍のアフガニスタン撤退で振り回されたドイツには米国への不信感が残る。
 連立協定には「欧州連合(EU)の主権の強化」が盛り込まれ、安全保障面での米国依存を減らそうとする意欲もうかがえる。米国が参加していない核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を決めたのもその一環とみられる。ショルツ氏の初外遊先はフランス。まずは欧州の結束を固め、国際社会で存在感を強める考えだ。

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