トヨタ開発のMR技術活用ライド型アトラクション「FUNVE」を体験–「VS PARK」に試験導入

東京, 9月13日, /AJMEDIA/

 トヨタ・コニック・プロと、バンダイナムコアミューズメントは、MR技術と一人乗りカートを融合した次世代ライド型アトラクション「FUNVE(ファンビー)」について、埼玉県にあるバラエティスポーツ施設「VS PARKイオンレイクタウン mori店」に、9月9日から期間限定でトライアル導入を実施している。実際に体験したレポートをお伝えする。

 FUNVEは、トヨタ自動車の技術系社員の有志で構成された「トヨタ技術会」が開発。リアルとバーチャルが融合した次世代の体験型アトラクションとなっており、利用者はマイクロソフトのMRグラス「HoloLens2」を着用。カートに乗り、目の前に広がる仮想空間を実際のカートを操作するというもの。

 FUNVEについては、これまで一部のトヨタ販売店などで体験会を実施してきたが、今回初めて公式に体験の場を設け、多数の来場者数を対象に実施。期間も11月13日までを予定し、約2カ月という長期間となっている。

 体験できるソフトは「アニマルレンジャー」と題したもので、こちらもメンバー自ら開発したもの。仮想空間でかわいらしい動物たちをキャッチしていく内容で、動物たちに向かってマシンを移動し、接触するキャッチしたことになりポイントを獲得。一方、フィールドにはお邪魔キャラクターにあたるハンターも登場し、接触するとマシンがスピンしてタイムロスとなる。一定時間内により多くのポイントを獲得するゲームとなっている。

 カート本体は、通常のクルマと同様のハンドル操作のほか、ジョイスティックによる直感的な操作が可能。今回体験したカートは、ジョイスティック仕様となっていた。

 カートの操作について、ジョイスティック仕様の場合は2本のスティックを両手で操作する。スティックを両方とも前や後ろに倒すと前後に移動し、両方とも左右に倒すとそのまま横に移動。左右のスティックをどちらか前後に倒すと回転するといった形となっている。

 実際に体験すると、思いのほか迫力あるものというのが率直な感想だ。外側から見ているとカートの速度もかなりゆるやかなのだが、実際に搭乗すると視線が低いこともあってか、結構な速度が出ているように感じられた。HoloLens2を通して映し出される映像は、デフォルメされたかわいい動物たちであり、子どもでも楽しめるようなファンタジーライクのものではあるが、実際にそこにいるという感覚も高く、体験時間もあっという間と思うぐらいで、没入感の高さと熱中できるポテンシャルを感じられるものとなっていた。

 またMRのことからは外れるが、一般的なクルマやカートとは異なり、向きを維持したまま横移動ができるのも新鮮な体験だった。これは通常のタイヤではなく、「メカナムホイール」と呼ばれる車輪を活用することで実現しているという。

 ちなみに今回はひとりで体験したものだが、友だちや家族など同行者がいる場合は、もう1人がサポートとして参加することが可能。HoloLens2を被り、アイテムの「ケーキ」を投げ入れると、その場所に動物たちが集まる。その投げ入れる動作は「エアタップ」となっており、同行者もMRの世界を体験することができる。

 FUNVEにおける開発当初のコンセプトは「Fun to Drive for Kids」となっており、多くがパパ世代でもあった開発メンバーの「子供でも楽しめるモビリティ体験を創りたい」という思いから誕生した。今回のトライアルで、実際にVS PARKの来場者に体験してもらうことにより、多くの利用者の生の意見を集め、正式導入に向けた課題点やビジネス機会の発見に役立てたいとしている。

 アトラクションの体験時間は、レクチャー時間を含めて1回約5分程度。VS PARK内の「カートコーナー」に設けられていることもあり、体験には入場料が必要。また利用条件として、年齢は8歳以上(※13歳未満は、保護者(20歳以上)の同意が必要)、体重は100kg以下。なお運転免許は必要ない。

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