オーディオブック「Audible」、コンテンツ投資を拡大へ–村上春樹作品新作や聴くアニメも展開

東京, 6月16日, /AJMEDIA/

アマゾンジャパンは6月14日、同社が展開しているオーディオブックならびに音声コンテンツ制作・配信サービスである「Amazon オーディブル」(Audible)について、記者向けの発表会を実施。Audibleの最新状況と現状、今後の展開について発表した。

 Audibleはプロのナレーターや俳優、声優が読み上げるオーディオブックや、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるポッドキャストなどを用意されたオーディオエンターテインメントサービス。日本向けの会員プランでは、月額1500円で12万以上の対象作品が聴き放題として利用することができる。

 登壇した、Audible カントリーマネージャーを務める逢阪志麻氏によれば、Audibleの最新状況について、世界180カ国、47の言語において数百万人の利用者がいること、そして2022年の聴取時間は40億時間であることを説明。聴取時間については、前年同期比で13%増加しているという。
Audibleの取り組みについて、2022年1月からは対象となるオーディオブックが聴き放題となるビジネスモデルへと移行。それまではポッドキャストのみ聴き放題で、オーディオブックは毎月1コインで1冊のみ入手可能という形式となっていた。このほかにも村上春樹氏の著書を導入するといったコンテンツの拡充をはじめ、テレビCMやキャンペーンといったマーケティング施策を実施したという。
こうしたこともあってか、Audibleは着実に成長しているという。2022年1月のビジネスモデル移行前と2023年5月を比較すると、会員数は67%増加。聴取時間についても増加しているほか、1カ月の間に新しく触れるタイトル数も増えているという。

さらに、聴き放題へ移行したことにより、聴取される作品ジャンルの傾向についても変化があった。コイン制のときにはビジネスや自己啓発などといった、ビジネスマンを中心に支持されるコンテンツが人気となっていたが、聴き放題になり幅広い層が利用する状況になったことで、文学やフィクションが大幅に増加。聴取時間も大きく増えたという。
今後の戦略として、顧客行動の変化にあわせてコンテンツへの投資をさらに拡大していく方針を掲げる。継続的に高品質なオーディオブックやオリジナルコンテンツを制作、提供することで、会員満足度の向上、利用時間の増加につながり、それによってさらに多くの作品が提供できるようになるという、好循環のサイクルによって成長していく考えを示した。
2023年のコンテンツラインアップについては、Audible シニアディレクターコンテンツの宮川もとみ氏が説明。まずは、これまでも村上春樹氏の著書を10作品以上を配信しているなか、新たに「猫を棄てる 父親について語るとき」を中井貴一さん、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を向井理さんの朗読で、6月14日から配信を開始する。さらに「カンガルー日和」(多部未華子さん朗読)、「パン屋再襲撃」(柳楽優弥さん朗読)、「ノルウェイの森 (上)(下)」(妻夫木聡さん朗読)、「レキシントンの幽霊」(門脇麦さん、滝藤賢一さん朗読)、「女のいない男たち」(市原隼人さん朗読)の配信も予定しているという。
また、湊かなえ氏の作品について、「贖罪」(小池栄子さん朗読)を、6月14日から配信を開始。「Nのために」(榮倉奈々さん朗読)、「境遇」(松雪泰子さん朗読)、「リバース」(藤原竜也さん朗読)、「未来」(のんさん朗読)の配信も予定されている。
Audibleと出版社による取り組みで、オーディオブックとして音声で配信した後、書籍として出版される作品となる「オーディオファースト作品」については、小学館、幻冬舎、水鈴社、コルクとの作品が予定されている。
ポッドキャストについては、「加藤浩次と山口一郎のとんぼとサカナ プロデュース by 佐久間宣行」や、コントユニット「シティボーイズ」による「SAYONARAシティボーイズ」などを展開する。

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