エルサルバドル、ビットコインのための街「Bitcoin City」建設を発表。税制など優遇

東京, 11月22日, /AJMEDIA/

ここしばらくは660~680万円ぐらいの価格にまで膨れている元祖暗号通貨Bitcoin(ビットコイン)、Mt.GOX事件(2014年2月)当時の価格が1BTCあたり1万8000円ぐらいだったことを考えると、あのとき世間の逆を張って10BTCでも手に入れていれば…と思うと自分の頭をポカポカ殴りたくなる人もいるかと思われますが、まだまだBitcoinの裾野は広がり続けているようです。

のナジブ・ブケレ大統領は、6月にBitcoinを米ドルに並ぶ法定通貨とする法案を通し、コンチャグア火山近くの地熱発電所を暗号通貨マイニング向けに利用することを指示していました。そして今回、地熱発電所とラ・ウニオンの街の近隣地域に「Bitcoin City」と称する新しい街を建設すると発表。そこには「住宅地、商業地、サービス、博物館、娯楽、バー、レストラン、空港、港、鉄道などすべてが含まれる」と述べました。

Bitcoin Cityの住民には付加価値税(VAT、消費税のようなもの)はあるものの、所得税は課されないと大統領は説明、税収の半分は「街を作り上げるため」、残り半分は「街を綺麗に保つため」に使われるとザックリ述べています。

都市の建設開始や完成時期は明らかにされていないものの、公共インフラの多くを整備するのにかかるコストは約30万BTCと見積もっているとしており、記事執筆時点のBTC価格で換算すると約2兆円ほどになる模様。そのため同時に10億ドル規模の「Bitcoin債」を発表し、エネルギーおよびマイニングインフラ構築に半分を、残りは暗号通貨の買い増しに使用するとしました。

ブロックチェーンインフラストラクチャー企業Blockstreamの戦略責任者Samson Mow氏は、エルサルバドルは5年後に保有する暗号の売却を開始し、債券保有者に追加の配当を支払うと述べました。当初の利回りは6.5%とのことで、見込みどおり今後も暗号通貨が上昇基調で推移すればかなりの利益を生み出す可能性があります。

エルサルバドルはBitcoinを法定通貨とすることを決めて以降、9月には2回に分けて合計400BTCを購入しています。国民には政府承認のウォレットアプリ「Chivo」を30ドル相当のビットコインと共に配布し、このアプリでドルまたはBTCでの支払いや送金、受け取りができるようにしています。また国内に200台以上のBitcoin対応ATMも設置したと伝えられています。

エルサルバドルはブケレ政権が独裁色を強め、大統領は「最もクールな独裁者」と自称しています。だからこそ、通貨としてはいささか不安定なはずのBitcoinにここまで全振りした政策を推し進めることが可能とも言えます。しかし当然国民の中には反対の声もあり、Bitcoinの法定通貨化に関しても抗議デモが複数回おこなわれています。また強制的にBitcoin対応を迫られた企業のなかにも一部では不満が出ている模様です、

税制面の優遇がはかられるとはいえ、Bitcoinを経済の中心に据えた街に住民や投資家、起業家が集まってくるかどうかは不明です。それは未知の領域であり、このプロジェクトを成功させるのに必要な支援が潤沢かどうかもまだ定かではありません。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts