ウクライナ軍、失地回復へ南部で反攻 「9月解放」主張、米ロケット砲貢献か

東京, 7月26日, /AJMEDIA/

ウクライナ軍がロシア軍の占領下にある南部ヘルソン州の奪還に向け、攻勢を強化している。ここ数日、激しい攻撃を続けているもようで、25日のウクライナの国営通信報道によると、州都ヘルソンとその東のベリスラブにあるロシア軍の拠点5カ所に空爆を加え、指揮所などを破壊した。
 ヘルソン州自治体幹部のハラン氏は24日、ウクライナのテレビに、戦況が転機を迎え反撃に出ていると強調。「ヘルソン地域は9月までに間違いなく解放されるだろう」と語った。
 ヘルソン州はロシアが2014年に併合したクリミア半島の北に隣接。半島と本土を陸路で結ぶ要衝で、ロシア軍は侵攻開始後の早い時期に占領した。ウクライナのゼレンスキー大統領は23日のビデオ演説で「軍はこの地域(ヘルソン州)で一歩一歩前進している」と述べ、反攻に転じたことを示唆していた。
 ウクライナ軍は最近、米欧から提供された長射程で精度の高い重火器の本格使用を開始。戦況に影響が出始めており、ヘルソン州でも高性能兵器が貢献している可能性がある。ロイター通信によると、ウクライナのレズニコフ国防相は25日、米国の高機動ロケット砲システム(HIMARS)でロシア軍の弾薬庫50カ所を破壊したことを明らかにした。
 ウクライナ軍はヘルソン市の南を流れるドニエプル川に架かる橋を破壊し、クリミア半島方面からの補給を断つことを目指しているもようだ。米シンクタンクの戦争研究所は24日、ウクライナ軍が先週、ヘルソン市に通じる3カ所の橋すべてに攻撃を加えたと報告。一部でHIMARSが使われた可能性を指摘した。
 ロシア軍は東部ドンバス地方で支配地域の拡大を目指しているが、進軍のペースは失速している。英国防省は25日付の報告で、ロシア軍司令部がドンバス地方での作戦とヘルソン州での「防衛」のいずれに戦力を重点投入するかでジレンマに立たされていると分析した。

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