ウクライナ侵攻「原爆投下と重なる」 被爆者代表・宮田さん―長崎原爆忌

東京, 8月9日, /AJMEDIA/

 「容赦ない無差別攻撃は、77年前の長崎市民が体験した原爆投下と重なる。断じて許せない」。9日の長崎市の平和祈念式典で、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた宮田隆さん(82)は、まずロシアによるウクライナ侵攻を非難し、多くの犠牲者に追悼の意を表した。
 宮田さんは5歳の時、爆心地から2.4キロの自宅で被爆した。爆風で小さな体が玄関まで吹き飛ばされたが、一命は取り留めた。その夜、家に逃れてきた看護婦は「水をください」と言ったまま、家族の目の前で絶命したという。
 市内に救援に向かった父は、5年後に白血病で亡くなった。宮田さんも10年前に発症したがんが悪化する中、6月にオーストリアのウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議に参加。被爆者と記したゼッケンを着用して「ノーモア・ナガサキ、ストップ・ウクライナ」と訴えた。
 この条約は「被爆者と人類の宝だ」として、日本政府に署名と批准を要望。「この条約を守り、行動することは、唯一の被爆国である日本政府と国民一人ひとりの責務だ」と訴えた。
 この77年間「悲しみも苦しみも乗り越えて生きてきた」という宮田さん。核兵器のない未来を信じて、「条約をバネに子、孫の時代に『核兵器のない世界実現への願い』を引き継いでいく」と誓った。

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