インド系移民、国外で活躍 イメージ向上に期待

東京, 6月28日, /AJMEDIA/

【ニューデリー時事】14億人超が暮らし世界一の人口大国になったとされるインドは、世界最大の移民送り出し国でもある。移民は送金や投資を通じ母国の経済に貢献。政府は、移住先や国際社会におけるインドのイメージ向上を担う「ソフトパワー」としても重視しており、モディ首相は20~23日の訪米でもインド系移民の活躍をアピールした。
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 「インド人コミュニティーの人々はその才能や勤勉さ、献身を通じ、米国におけるインドの栄光を高めている」。モディ氏は22日、ホワイトハウスで開かれた歓迎式典でそう語り、集まったインド系米国人を沸かせた。
 国際移住機関(IOM)によれば、2020年のインド系移民は約1800万人で世界最多。インド政府によると、「ディアスポラ」と総称される国外居住のインド国籍保持者やインドにルーツを持つ人の最大の移住先は米国で、約440万人が暮らす。
 米国に住むインド系は大卒の高所得者が比較的多いとされ、政界や経済界で存在感を発揮してきた。モディ氏が訪米中に面会したハリス副大統領は母親がインド出身、グーグルのピチャイ最高経営責任者(CEO)はインド生まれだ。グーグルを筆頭に米IT企業経営陣にインド出身者は多く、インド政府は母国への投資を働き掛けている。
 また、インド系移民は送金を通じて母国の経済に貢献している。世界銀行によれば、22年にインドに送金された額は約1110億ドル(約15兆9000億円)で、各国の中で最多。インドの国内総生産(GDP)の3.3%を占め、年間1000億ドルの大台を突破した初の国となった。
 こうした状況を踏まえ、モディ氏は外遊の際、現地のインド人コミュニティーと交流する機会を設けることが恒例になっている。今月25日まで滞在したエジプトの首都カイロでインド系移民の歓迎を受けたほか、5月に訪問したオーストラリアでは、モディ氏を歓迎する2万人以上の大規模集会がシドニーで開かれた。

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