「半導体補助金」法案に機運 中国に対抗へ―米議会

東京, 7月25日, /AJMEDIA/

米議会で、経済安全保障の観点から半導体の国内生産を補助金で後押しする法案の成立を目指す機運が高まってきた。貿易や人権問題まで網羅する包括的な対中競争法案が検討されてきたが、上下両院の一本化作業が難航。11月の中間選挙に向けた実績づくりを優先し、バイデン政権が戦略物資に位置付ける半導体分野を先行させる方向となった。
 与党民主党の上院トップ、シューマー院内総務が提案した超党派の半導体法案は、両院が議論してきた従来の法案と同様に、半導体の国内生産や研究の支援に520億ドル(約7兆円)超の補助金を投じる内容。半導体投資を促すために25%の税額控除を4年間認める制度も設ける。補助金を受け取った企業は、中国など安保上の懸念がある国で先端半導体の事業拡大を原則として禁じられる。
 上院は半導体法案を週明けにも可決し、下院もその後に採決する見通しだ。
 新型コロナウイルス危機に端を発する世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱を受け、米政権は対中国を念頭に半導体供給網の強化を同盟・友好国に促しており、日本や韓国、台湾などが投資拡大を既に決定。一方、中国も国産半導体の育成を図っていることから、米議会は半導体補助金の決着を急ぐべきだと判断した。
 米議会は超党派で対中強硬策を支持しており、包括的な競争法案が速やかに成立するとの期待もあった。だが、民主党左派は大企業寄りの施策への抵抗感が強く、両院の協議が暗礁に乗り上げたため、補助金を当てにしていた米半導体大手インテルが新工場の起工式を延期する事態に発展していた。

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