G20外相会合、1日開幕 ウクライナ巡り対立、協調困難―インド

東京, 2月28日, /AJMEDIA/

20カ国・地域(G20)外相会合が3月1、2両日、インドの首都ニューデリーで開かれる。西側諸国と、1年を超えてウクライナへの侵攻を続けるロシアや侵攻批判を控える中国との対立が激しさを増す中、G20の目的である地球規模の課題解決に向け、協調姿勢を打ち出すことは困難な情勢だ。
 会合にはブリンケン米国務長官やロシアのラブロフ外相が出席予定。日本の林芳正外相は国会対応のため出席を見送る方向だ。2日目に実質的討議を行い、食料やエネルギーの安全保障などについて話し合う。
 日米欧の先進7カ国(G7)は24日の侵攻1年に合わせた首脳声明で「違法、不当でいわれのない戦争」とロシアの武力行使を非難。これに対しロシアのプーチン大統領は最近のテレビのインタビューで、ウクライナを支援する西側諸国の目的は「ロシアを解体することだ」と主張した。
 外交筋は「欧州の国にはラブロフ外相と絶対に写真を撮りたくないと言う人もいる」と明かす。溝は深まるばかりで、米欧とロシアの外相が同じテーブルに着くことができるかも不透明だ。
 25日までインド南部ベンガルールで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、侵攻を非難する表現を巡り、ロシアに加えて中国も「地政学的対立に立ち入るべきではない」との理由で反対に回った。結局、議長総括は出たものの、全会一致が原則の共同声明の採択は4回連続で見送られた。
 議長国のインドは共同声明採択に最後までこだわったとされる。インドはロシアの友好国で、対ロ制裁に加わっていない一方、西側諸国とも良好な関係を維持。両者の間を取り持てる立場だったインドですら声明をまとめられず、G20という枠組みの機能不全がより際立った。
 外相会合閉幕後の3日には、ニューデリーで日米印にオーストラリアを加えた4カ国の連携枠組み「クアッド」外相会合が開かれる予定。国会日程もあり、林氏の出席は流動的だ。

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