27日に安倍氏国葬 決定から2カ月、論争拡大の中

東京, 9月26日, /AJMEDIA/

 安倍晋三元首相の国葬が27日午後、東京都千代田区の日本武道館で行われる。岸田文雄首相の判断で実施を閣議決定してから2カ月余りが経過する中、賛否をめぐる論争は拡大。政府は葬儀を厳粛に執り行いたい考えだが、世論の対立を際立たせかねない懸念がくすぶる。
 式典は午後2時から。国内各界、外国の代表約4300人が参列する予定だ。これに先立ち26日からは、ハリス米副大統領ら各国要人の訪問に合わせて、警備強化のため首都高速や都心の一般道路で一部交通規制が敷かれる。
 葬儀委員長を務める首相は米ニューヨークでの22日の記者会見で、「一連の行事が敬意と弔意に満ち、わが国への信頼を高めるものになるよう全力を尽くす」と表明。引き続き丁寧な説明に努め、幅広い理解を求めていく考えを示した。
 だが、国内の反対論は強まる一方だ。報道各社の世論調査では、国葬について「反対」と答える割合が「賛成」を大きく上回る状況が続く。
 約16億6000万円の国費を投入することや、首相が安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係に関する調査を拒否し続けていることなどが影響しているとみられ、内閣支持率は急落した。政権幹部は「安倍氏の銃撃事件当時は考えられなかった状況だ」と頭を抱える。
 国葬決定から実施まで2カ月も間をあけた判断を悔やむ声もある。1967年の吉田茂元首相の国葬は死去からわずか11日後だったが、岸田首相は7月の閣議決定後、内閣改造を行うなど政治日程を優先する姿勢も見せた。自民党の中堅議員は「速やかに実施しておけばよかった」と声を落とす。
 27日は葬儀の時刻に合わせ、国会周辺で大規模な反対集会も計画されている。
 自民党の閣僚経験者は「元首相の死が(論争によって)ゆがめられている」と嘆く。一方、立憲民主党の泉健太代表は「分断を世の中に生じさせた」と岸田首相の判断を批判。論争が沈静化する気配は見えない。

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