1人区、一騎打ち12選挙区に 与野党が準備急ピッチ―参院選

東京, 6月3日, /AJMEDIA/

 夏の参院選に向け、与野党が準備を急ピッチで進めている。勝敗を左右する全国32の「1人区」(改選数1)をめぐり、協力体制をほぼ整えた与党に対し、野党は一本化が難航。事実上の与野党一騎打ちは12選挙区にとどまりそうだ。全ての1人区で野党同士が競合を避けた2016、19年の参院選と構図が一変している。
 参院選の日程は、15日までの今国会の会期延長がなければ「22日公示―7月10日投開票」となる方向だ。
 岸田文雄首相(自民党総裁)は2日、山形から出馬する新人に公認証を手渡し、「頑張りましょう」と激励した。自民は、山形で現職を抱える国民民主党に配慮し、一時は「不戦敗」も視野に入れていたが、最終的に擁立を決断。これにより全45選挙区の候補が出そろった。
 公明党は改選数3以上の7選挙区に候補を擁立。このうち埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡で自民の推薦を受ける。一方、公明から自民への推薦は調整に手間取ったが、2日の中央幹事会で新たに3人を追加し、計38人となった。
 岡山は自民現職が推薦を求めない意向を示したため自主投票。残る京都は近く推薦を決める。
 一方の野党は乱立気味だ。直近2回の参院選は1人区で候補を一本化したが、今回は20選挙区で競合が見込まれる。
 背景にあるのは、立憲民主党が昨年の衆院選で共産党と結んだ「限定的な閣外協力」の合意を棚上げするなど、これまでの「立・共共闘」路線をことごとく拒んだことだ。反発した共産が一方的な候補取り下げに応じなかった。日本維新の会や国民が独自候補の擁立を積極的に進めたことも響いている。
 現時点で、野党一本化のめどが立ったのは11選挙区。このうち青森、岩手、新潟、山梨で立民現職、和歌山、徳島・高知で共産新人が、それぞれ立候補する。さらに、共産は鹿児島で候補取り下げを調整するが、これを含めても「与野党1対1」の構図は12選挙区だ。
 共産の小池晃書記局長は2日の記者会見で、1人区の対応について、立民との調整を踏まえ、11選挙区で擁立しないと表明。鹿児島についても「(地元で)合意できれば候補者を取り下げる」と説明した。1日に立民の西村智奈美幹事長にも伝えたという。

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