非正規に育児給付創設へ 財源に社会保険活用―政府検討

東京, 1月11日, /AJMEDIA/

 政府は、子育てを行う非正規労働者、自営業者、フリーランスなどへの給付制度を新設する方向で検討に入った。育児休業制度の対象とならない労働者の経済的負担を軽減する。財源として、雇用保険や医療保険の社会保険料を引き上げ、基金として積み立てて拠出する案を検討。新たな少子化対策として打ち出す。
 複数の政府関係者が10日明らかにした。国民1人当たりの月額保険料の引き上げ幅については、政府内で今後調整する。
 岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」実現に向け、6月ごろまでに子ども・子育て関連予算の「倍増」に向けた大枠を示す考え。小倉将信こども政策担当相に対しては、児童手当を中心とした経済的支援拡充などの検討を指示した。関係省庁会議が3月末をめどにまとめる具体案には、非正規労働者らへの給付制度も盛り込まれる方向だ。
 政府の「全世代型社会保障構築会議」は昨年12月の報告書で、非正規労働者や育児のため時短勤務を選択する労働者を対象にした給付制度の創設を提言。官邸幹部は「雇用形態の違いで支援から漏れている現状は問題」と指摘する。松野博一官房長官は10日の記者会見で「報告書に基づき取り組みを進める」と語った。
 一方、政府内では「児童手当の拡充だけで数兆円規模の財源が必要」との見方もある。社会保険を財源とする場合、保険料上乗せの形で企業や労働者の負担が増えるため、国民の理解が不可欠となる。
 首相は8日、新たな少子化対策の財源に関し、「雇用保険、医療保険をはじめさまざまな保険がある」との考えを表明。公明党の山口那津男代表も「保険も含めて幅広くさまざまな財源を確保していく議論が必要だ」と述べていた。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts