集合住宅攻撃で責任逃れ 「軍事施設」「ウクライナ原因」―ロシア

東京, 1月17日, /AJMEDIA/

 ロシア国営メディアは、ウクライナ東部ドニプロの集合住宅で14日に多数の死傷者を出したロシア軍のミサイル攻撃に関し、ほぼ沈黙している。ロシア国防省は「軍事施設」を破壊したと発表したが、現地の捜索・救出活動の様子を報じれば、うそが露呈する。軍事作戦を巡って国内世論が動揺することを恐れ、責任逃れを図った格好だ。
 昨年春に発覚した首都キーウ(キエフ)近郊ブチャの民間人殺害では、国営テレビは映像を紹介しつつ「欧米のやらせ」と主張したが、今回はそれも難しい。
 「ロシアのミサイルを迎撃したが、集合住宅に落下した」。ウクライナのアレストビッチ大統領府顧問は被害当日の14日にユーチューブで言及。自軍の迎撃が「原因」という理屈につながりかねず、ロシアの保守派はこぞって引用した。ペスコフ大統領報道官も16日、「ウクライナ責任論」を展開した。
 子供を含む100人超が死傷した惨事に際し、ゼレンスキー政権高官が不用意な発言で加害国に「助け船」を出した形。ウクライナのソーシャルメディアは15日、アレストビッチ氏への批判で大荒れとなり、本人は釈明に追われた。ウクライナ軍当局者は、ロシアが使用した対艦ミサイル「Kh22」の迎撃は困難だと述べている。
 一方、ロシア側では民間人攻撃に開き直っている節がある。公式発表とは別にロシア国防省は15日、通信アプリ「テレグラム」にあえてミサイルの写真を掲載した。非公式に関与を認める「示唆」は過去にもあったと英BBC放送が指摘している。
 ロシアのある保守派ジャーナリストは動画サイトで「(東方正教で使うユリウス暦の)旧正月を『花火』で祝った」「うれしい」と表明。問題発言としてウクライナ側で猛反発を受けた。ロシア国営テレビは15日、プーチン大統領が「軍事作戦は計画通りに進んでいる」と高く評価する13日収録のインタビュー映像を公開した。

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