買収防衛策めぐり混乱も 東京機械、22日臨時総会―アジア開発との対立先鋭化

東京, 10月20日, /AJMEDIA/

新聞印刷用の輪転機大手、東京機械製作所は22日、買収防衛策発動の是非を問う臨時株主総会を開く。防衛策は、株式を買い進めるアジア開発キャピタルの持ち株比率引き下げを狙うもので、東京機械はアジア開発などを除く株主のみで議決する方針。アジア開発は激しく反発、両社の対立は司法を巻き込み先鋭化の一途をたどっており、総会は混乱も予想される。

 対立の発端は7月20日。アジア開発が提出した大量保有報告書で、同社とその子会社が東京機械株の8%強を保有していることが明らかになった。その後、アジア開発は株式取得の目的を「純投資」から「支配権の取得」に変更。株式の取得も加速し、現在の持ち株比率は約4割に上る。

 東京機械は8月6日の取締役会で、買収者は行使できない新株予約権を株主に付与してアジア開発の影響力をそぐ「ポイズンピル(毒薬条項)」と呼ばれる買収防衛策の導入を決定。アジア開発について、情報提供が不十分な上、取得原資や株主構成なども「非常に不透明」(都並清史社長)と批判している。

 これに対し、アジア開発は防衛策が会社法に定める「株主平等原則」に違反するとして、差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請。両社は今月15日、総会での混乱回避に向け合意に達したが、その直後の18日にはアジア開発が8月の両社長面談時の録音記録を一方的に公開するなど、対立は泥沼化している。

 東京地裁は総会後に仮処分申請に対する判断を示すとみられるが、両社とも一歩も引かない構えで対立が長引く可能性もある。東京機械は「公益性が高い」(都並社長)新聞インフラを支える存在とも言えるだけに、攻防戦の行方に注目が集まっている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts