豹変泉氏、危機感の裏返し 国会攻勢も支持率低迷―立民

東京, 11月6日, /AJMEDIA/

 立憲民主党の泉健太代表が臨時国会でキャッチーな言い回しを繰り返している。生真面目でアピール不足と指摘されていた泉氏の豹変(ひょうへん)ぶりには党内から評価の声も上がる。背景には、党の支持率低迷から抜け出せず、崖っぷちに立たされている自身の苦境がある。
 「『いいね』は押せない言い値予算だ」。泉氏は10月28日の記者会見で、政府が示した総合経済対策をばっさり切り捨てた。同月5日の各党代表質問でも、岸田文雄首相の答弁に飽き足らず、記者団に「江戸っ子風に言うとからっキシダ」と皮肉った。
 「提案型」を掲げた前通常国会は、岸田政権を攻めあぐねた。今国会は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題などで野党が攻勢を強めており、泉氏の政権批判発言もうまく連動しているようだ。
 泉氏の変化は危機感の裏返しだ。昨年11月に党代表に就任したが、正念場となった今年7月の参院選では6議席を減らす敗北を喫した。比例代表の得票数も野党第2党の日本維新の会を下回った。
 参院選直後の両院議員懇談会では「日々の政治課題に瞬発力を持って発信するべきだ」と同僚から激しく突き上げられた泉氏。周辺は「党も土俵際だが、代表自身も厳しい立場だ。党の支持率を上げるためには何でもやると腹をくくった」と代弁する。
 8月の党執行部人事で岡田克也幹事長や安住淳国対委員長らベテランが復帰したことも、プラスに作用した。側近は「ベテランに仕事を任せられるようになり、自身は発信に集中できるようになった」と解説する。党内からは「泉氏は吹っ切れた」(若手)と期待する声も上がる。
 「まとまらないのであれば、内閣不信任に値する」。調子づく泉氏は今月4日の会見で、旧統一教会問題の被害者救済に向けた新法の今国会提出に消極的な与党を強く批判した。これには自民党の茂木敏充幹事長が、与野党協議中の内閣不信任案への言及は「全く筋違い」と猛反発した。
 立民内からは来春の統一地方選の結果次第では「ポスト泉」に向けた動きが出てくるとの見方もある。党関係者は「統一選で負けたら代表選だ」と語った。

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