襲撃事件の影響注視 支持率上昇、問題再燃も―衆参補選

東京, 4月20日, /AJMEDIA/

衆参5補欠選挙(23日投開票)が終盤戦に入る中、与野党は岸田文雄首相(自民党総裁)の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件の影響を注視している。一部報道機関の世論調査で内閣支持率が急上昇する一方、事件の背景として世襲政治家批判などが取り沙汰され始めたため、影響は読み切れないとの声もある。
 「警察当局は(演説を)やめてほしいとアドバイスしたが、首相が決断した」。自民党の世耕弘成参院幹事長は19日の党会合で、事件の約1時間後に遊説を再開した首相を持ち上げた。
 自民党が首相の行動をアピールするのは、事件が補選の「追い風」になると期待しているためだ。実際、事件直後に発表された世論調査で内閣支持率が5~10ポイント上昇。党関係者は「『危機』は政権にプラスに働く。接戦の選挙区で一歩抜け出せるかもしれない」と皮算用をする。
 一方、徐々に明らかになる事件の背景が影響する可能性もある。木村隆二容疑者(24)は安倍晋三元首相の国葬決定を「民主主義への挑戦」と批判し、同容疑者とみられる人物がツイッターに「首相は世襲3世」と書き込んでいたことが判明した。
 国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題、世襲を巡る自民党批判を再燃させかねない内容だけに、公明党幹部は「事件はプラスでもマイナスでもない」と慎重な見方を示した。立憲民主党若手は「空気はこれから変わる」とみる。
 内閣支持率の急回復は、与野党内で取り沙汰される早期衆院解散の観測にも拍車を掛ける。自民党幹部は、補選結果が首相の解散戦略を左右すると前置きした上で「支持率上昇は首相の判断を後押しするかもしれない」と語った。
 野党は警戒を強める。国民民主党の玉木雄一郎代表は19日のラジオ番組で、解散時期に関し「最短で6月はあり得る」と述べた。日本維新の会の馬場伸幸代表は18日の党会合で「(5補選で)自民党全勝なら(解散に)なりかねない」と指摘。同僚議員に対し「もうちょっと(議員)バッジを着けておきたい人は(補選勝利に向け)全力を挙げてほしい」とハッパを掛けた。

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