自公幹部の訪中調整難航 処理水問題で態度硬化か

東京, 7月15日, /AJMEDIA/

自民、公明両党幹部の中国訪問に向けた日程調整が難航している。公明の山口那津男代表は今月15~17日の訪中がほぼ固まっていたが、直前で中国側が予定をキャンセル。東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に対する反発が「大きな要因だ」(自民幹部)との見方が強まっており、政府の対中外交に影響が及ぶ可能性もある。
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 「お互いいろいろな事情がある。今、ベストな時期を探っている」。公明の石井啓一幹事長は14日の記者会見で、山口氏の訪中実現を引き続き目指す考えを強調した。
 公明関係者によると、今年に入り山口氏訪中に向けた調整を断続的に続けた結果、15日からの3連休とすることで中国側とほぼ一致した。しかし、先週から中国側の態度が硬化し、11日の山口氏と呉江浩駐日中国大使との会談でいったん「白紙」とすることが決まった。党幹部は「中国首脳部の意向が働いたようだ。処理水問題が関係していると思う」と話す。
 4月に超党派の日中友好議員連盟会長に就任した自民の二階俊博元幹事長も、8月下旬から9月を軸に訪中を検討しているが、中国側との協議は難航。二階氏周辺は「処理水の放出スケジュールも固まっていない。具体的な日程協議に入れていない」と打ち明ける。
 国際原子力機関(IAEA)は今月4日、処理水放出計画が国際基準に合致しているとの報告書を公表。これを受け、日本政府は「夏ごろ」とする海洋放出を最終判断する方針だ。中国は批判を強め、香港政府は12日、処理水が放出された場合、福島や宮城など10都県の水産物の禁輸措置を取ると発表した。
 日本政府内には、20カ国・地域(G20)首脳会議など9月に予定される国際会議に合わせた日中首脳会談を模索する動きがある。ただ、処理水問題で中国がさらに強硬姿勢を取る可能性もあり、自民幹部は「しばらくは様子を見るしかない」と語った。

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