立民代表、共闘で「内憂外患」 維新反発、リベラル系は不信感

東京, 2月20日, /AJMEDIA/

 立憲民主党の泉健太代表が、日本維新の会との国会共闘を巡り「内憂外患」を抱えている。維新は、馬場伸幸代表の名前をやゆした泉氏に猛反発。立民内リベラル系議員は、保守政党である維新との共闘路線に不信感を募らす。両党関係の先行きは不透明感が増している。
 「今国会でもできる限り連携できるところは連携して取り組む」。泉氏は19日の党大会後の記者会見で、維新との関係強化に努める考えを示した。
 立民は党大会で、維新を念頭に「政策別連携」を深化させるとした活動計画を採択。両党は昨年の臨時国会に続き、今国会でも共闘を継続する。憲法改正など重要課題で隔たりがあるものの、一致できる政策に絞って連携することで、岸田政権への揺さぶりを狙う。
 こうした中で泉氏の「失言」が波紋を広げた。10日の記者会見で、衆院憲法審査会の開催に積極的な馬場氏に対し、競馬の走路状況に例えて「(自民党が走りにくい)『重馬場』であってほしい」と皮肉った。
 維新幹部は「名前をあげつらった」「人生経験が足りない」と憤る。激怒した馬場氏は今月末に予定していた泉氏との会食をキャンセルした。立民が憲法審での討議加速になお後ろ向きであることから、維新内には共闘解消論も浮上した。
 この「重馬場」発言を巡り、泉氏は17日の会見で「悪口ではない」と強気の姿勢。「(馬場氏は)最近は激務でやせていると聞いた」と余計な一言も飛び出した。党首間の亀裂が修復する見通しは立っていない。
 立民内では、リベラル系が共闘に懸念を強める。岸田政権の原発再稼働方針を支持する維新に、泉氏が「すり寄るのでは」と疑心暗鬼になっている。
 立民内の最大勢力でリベラル系集団「サンクチュアリ」の重鎮は「維新を信用していいのか。だまされているのではないか」と指摘。若手は「(泉氏から)共闘の説明もない。安全保障政策も右に寄りつつある」と警告した。リベラル系では、枝野幸男前代表の再登板への期待が根強い。
 自民党が維新に接近し、野党連携にくさびを打ち込もうとしているのも泉氏にとっては不安材料だ。4月の統一地方選や衆院補欠選挙で結果を出せなければ、共闘を進めた泉氏の責任を問う声が強まる可能性もある。立民関係者は「この政党は岡田克也幹事長と安住淳国対委員長で持っている」と話し、泉氏の影響力低下を指摘した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts