立民・長妻氏「詐欺に近い」 木原氏「倍増」発言で激論―衆院予算委

東京, 2月28日, /AJMEDIA/

 衆院予算委員会の27日の集中審議で、木原誠二官房副長官の「子どもが増えれば予算は増える」との発言を巡り、議論が白熱した。立憲民主党の長妻昭政調会長は「詐欺に近いような話だ」と追及。岸田文雄首相は「社会保障予算の特性を紹介した」などと苦しい釈明に追われた。
 発端は21日のBS番組で、首相側近の木原氏が「出生率がV字回復すれば、割と早いタイミングで倍増が実現する」などと発言したことだ。目的と手段をはき違えたかのような内容に、立民は「へんてこな倍増論」(泉健太代表)と問題視している。
 長妻氏から発言の意味を説明するよう求められた首相は「これまでの政府の説明と齟齬(そご)があるとは考えていない。子どもが増えれば、それに応じて予算が増える面もある」と釈明。予算委に呼ばれた木原氏も同じ説明を繰り返した。
 これに対し、長妻氏は「完全にごまかしだ」とした上で、「(木原氏の)レトリックなら、社会保障費は(高齢者増により)毎年5000億円ずつ増える。増やしたとも言えるが、サービスは同じだ」と指摘。「この考え方でいくと、倍増どころか(子ども)予算は減りかねない」とも語った。
 続いて質問に立った立民の山岸一生氏は、LGBTなど性的少数者を巡る前首相秘書官の差別発言に触れ、「そもそも首相にも責任の一端がある。首相の説明が不十分だから、周辺が真意を説明し、次から次へと失言につながってる」と批判。首相は「説明は一貫している」と防戦一方だった。
 2023年度予算案は28日に衆院を通過する見通しだが、参院でも「倍増」を巡る論戦が激しさを増しそうだ。

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