立民・共産に亀裂 「協力否定」「競合辞さず」―次期衆院選

東京, 5月28日, /AJMEDIA/

立憲民主党と共産党が次期衆院選の戦略でぶつかっている。立民の泉健太代表が選挙協力を全否定すると、共産は「意趣返し」のように立民との競合を辞さず積極擁立する方針を打ち出した。衆院選を巡っては自民、公明両党の与党も揺れているが、野党側にも深刻な亀裂が入っている。
 泉氏は26日の記者会見で「とにかく他の党に頼るなということだ」と述べ、衆院選は自力で戦うと宣言した。共産との選挙協力について、15日のBS番組で「やらない」と明言。17日には立民を支持する連合の芳野友子会長にもこうした方針を伝えた。
 泉氏が「非共産」路線を強めるのは、穏健な保守層の支持を引き寄せたいためだ。立民は2021年の前回衆院選で共産と「限定的な閣外からの協力」で合意し、候補を一本化して臨んだものの、公示前より14議席減らす96議席と敗北。選挙戦では自民から「立憲共産党」と批判を浴びたトラウマが残る。
 立民の岡田克也幹事長は23日の会見で「『立憲共産党』がすごく印象付けられた。(次の衆院選では)誤解を招かないようにしたい」と述べ、泉氏と足並みをそろえた。
 ただ、泉氏の方針には立民内に不満も根強い。小選挙区で自民候補が公明の組織票に頼るように、足場が弱い立民候補も共産の支援を受けたいのが本音。立民中堅は「泉氏は考えて発言してほしい」と批判。石垣のりこ参院議員は16日にツイッターで「立憲共産路線、なにが悪いんですか」と開き直った。
 共産は泉氏発言に猛反発し、22日の常任幹部会で小選挙区で独自候補を積極擁立する方針を決めた。立民現職がいる選挙区にも対抗馬を立てる構え。志位和夫委員長は25日の会見で「泉氏の発言が変わらないなら独自に戦っていく」と「圧力」をかけた。党首間の信頼関係は急速に低下する。
 一方で共産は「野党共闘」再構築も目指し、立民との関係修復も望む。共産幹部は「まずは泉氏に軌道修正を図ってもらう」と述べた。
 次期衆院選を巡り、日本維新の会は野党第1党を狙い、原則全ての小選挙区に候補を立てる方針。国民民主党も「積極擁立」を掲げる。野党間の調整がなければ候補が乱立し、自民を利する結果になりかねない。

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