活用と規制、バランス手探り チャットGPTの衝撃大きく―G7デジタル相

東京, 5月1日, /AJMEDIA/

30日閉幕した先進7カ国(G7)デジタル・技術相会合は、急速な進化を遂げる人工知能(AI)にどう向き合うかについて議論が白熱した。対話型AI「チャットGPT」がもたらした衝撃は大きく、各国ともAIを巡る議論を急ピッチで進めている。適切に規制しながら開発や利活用を後押しする方針を確認したものの、アクセルとブレーキの使い分けは、まだ手探りの状態だ。
 今回の会合は、G7メンバーのイタリアが個人情報保護への懸念からチャットGPTの一時禁止に踏み切り、規制に関する議論が高まる中で開催された。生成AIはプライバシーなどへの懸念だけでなく、偽情報の作成・流布など悪意を持って使えば民主主義社会を脅かす恐れもある。会合に参加したウィッシング独交通相は30日の記者会見で「乱用からわれわれを守るルールの整備が重要だ」と訴えた。
 一方、AIによって文書の作成などが大幅に効率化されれば労働力不足の解消につながるなど、メリットが大きい。新規ビジネスを生み出す可能性など経済効果への期待も膨らみ、AI開発の出遅れを挽回したい日本は米国と共に利用推進に軸足を置く。
 法律による厳格な規制を重視する欧州との温度差は否めないが、松本剛明総務相は30日の記者会見で「新しい技術に課題はある。対策しながら責任ある形で活用する」と表明。AIのメリットを生かしたいとの考え方はG7共通だと強調した。
 今回の会合で、規制の在り方などの具体的な議論には踏み込めなかった。G7は検討を続けるための場を設け、今秋にも閣僚級で協議する。生成AIを適切に利用してもらうためのガイドラインが必要だとの声も上がるなど、多くの課題が残されている。

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