沖縄3離島に空自PAC3 教訓踏まえ前倒し準備―北朝鮮ミサイル

東京, 5月30日, /AJMEDIA/

北朝鮮が「衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイル発射を予告したことを受け、政府は29日、浜田靖一防衛相が自衛隊に破壊措置命令を出すなど警戒レベルを一段と上げた。上空通過の恐れがある沖縄県の3離島では航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を終えており、発射に備える。
北朝鮮、事前通告で正当化 「軍事偵察衛星」打ち上げか

 浜田防衛相は29日、防衛省で記者団に「しっかり態勢を整備してきた。遺漏なきよう対応していく」と強調した。これに先立ち、関係省庁の局長級会議も開かれた。
 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が4月に「軍事偵察衛星」の打ち上げを命じたのを踏まえ、浜田防衛相は同22日、ミサイル防衛(MD)による破壊措置の準備を自衛隊に命令。沖縄・先島諸島の宮古島、石垣島、与那国島にPAC3関連の車両や機材が順次運び込まれた。
 与那国配備は初めて。PAC3は従来、沖縄本島の陸上自衛隊那覇駐屯地に置かれており、大きく4拠点態勢を取る。
 日本のMDは、レーダーで探知した弾道ミサイルの軌道を計算し、海上自衛隊のイージス艦から発射する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と、撃ち漏らしたミサイルを地上で迎撃するPAC3の二段構え。今回もSM3搭載型のイージス艦が東シナ海に展開している。
 防衛省がMDの態勢を急いで整えた背景には、前回2016年の弾道ミサイル発射時の「教訓」がある。当初、北朝鮮は「2月8~25日」を発射期間と通告したが、同6日になって急きょ「2月7~14日」へ前倒し。自衛隊は対応に追われ、宮古島でPAC3の準備が完了したのは、発射予告期間に入る約50分前の7日午前6時40分ごろだったという。
 防衛省幹部は「なんとか間に合ったのが実情だ」と振り返る。今回、北朝鮮が弾道ミサイルを発射する可能性は高いと総合的に判断し、4月22日という早い段階から部隊を動かすことにしたという。

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