沖縄・北大東島に自衛隊レーダー 太平洋側「空白」に対応―防衛省検討

東京, 7月15日, /AJMEDIA/

防衛省が航空自衛隊の移動式警戒管制レーダーを、太平洋上の北大東島(沖縄県北大東村)に配備する検討を進めている。中国軍機が南西諸島周辺での活動を活発化させる中、太平洋側は日本の警戒監視の「空白地域」(同省幹部)。領空侵犯などへの対応を急ぐ。
南シナ海で米軍機に異常接近 中国軍機、6メートル以内に

 北大東島は沖縄本島の東方約360キロに位置。浜田靖一防衛相は14日の記者会見で、「移動式警戒管制レーダーを配備する有力な候補地として検討している」と明らかにした。決定する時期については明言を避けたものの、「太平洋側の広大な空域を含むわが国周辺空域を常時継続的に警戒監視する態勢の強化は重要な課題だ」と語った。
 配備を検討するのは、車載式のレーダーシステムで、30人規模で運用する。北大東村議会が2021年12月に自衛隊誘致の意見書を議決し、防衛省が現在、候補地の環境調査などを実施中。今月20日、検討状況に関する住民向け説明会を開く。
 日本の防空網は、ロシアや中国、北朝鮮がある西側を重点的に監視する形で整備されてきた。伊豆諸島や小笠原諸島を含む太平洋の島しょ部には固定式レーダーもなく手薄。政府は昨年12月に策定した防衛力整備計画で、この地域への移動式レーダー整備を明記した。
 中国軍は近年、沖縄・台湾・フィリピンを結ぶ「第1列島線」を越えた太平洋への進出を強化する。4月には中国の国産空母「山東」が沖縄南方で艦載機の発着艦を約620回実施。6月には中ロの爆撃機計4機が共同飛行を行い、沖縄本島と宮古島の間を通過した。
 防衛省幹部は、中国軍の太平洋進出を「台湾統一をにらんだ動き」と警戒し、今後も継続するとみている。自衛隊は現在も艦船や航空機で対応しているが、恒常的に監視する態勢が不可欠だと強調した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts