指導力問われるG7 食料・エネルギー、広がる危機―サミット、26日開幕

東京, 6月26日, /AJMEDIA/

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)が26日、ドイツ南部の保養地エルマウで始まる。ロシアによるウクライナ侵攻後、対ロ制裁やウクライナ支援策を矢継ぎ早に打ち出してきたG7は、世界的な食料・エネルギー価格の高騰という新たな課題への対処を迫られる。戦争の終わりが見えない中、指導力を示せるか真価が問われる。
 岸田文雄首相は初のG7サミット出席。国政選挙期間中の首相の外遊は異例だ。首相は25日夜、出発に先立ち、首相公邸で記者団に「選挙は大事だが、国益のために会議に参加する意味は大変大きい」と指摘。「世界が歴史の岐路に立つ中、G7の結束を示す機会にしたい」と語った。
 議長国ドイツのショルツ首相が設定したテーマは「公正な世界への前進」。28日まで3日間の日程で、世界経済や外交・安全保障、気候変動、エネルギー、食料安保などについて討議する。
 バイデン米大統領は対ロ圧力やウクライナ軍事支援に関する「一連の提案」を示す方針。停戦への道筋や制裁をめぐり温度差がある中、G7としてどの程度強い姿勢を示せるかが焦点だ。
 日本外務省幹部が「最重要課題」と語るのが食料危機への対応。黒海沿岸の都市をロシアが封鎖したことで、ウクライナ産穀物の輸出ルートが遮断され、アフリカ諸国などで食料危機が深刻化する。代替ルートの確保や影響を受ける途上国への支援が中心議題で、首相は数百億円の支援を打ち出す方向で調整している。
 長引く対ロ制裁はエネルギー価格高騰という副作用を生んだ。G7各国は自らに降りかかる物価高に対応しつつ、ロシアにエネルギーを依存する国々にどう代替手段を提供するか、複雑なかじ取りを迫られる。
 首相は29日には、スペインのマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に日本の首相として初参加する。軍事的挑発や経済的威圧を強める中国に対しては欧州でも警戒感が高まる。首相は「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分」との考えを改めて伝え、連携を呼び掛ける方針だ。
 日本と共にNATOの「パートナー国」として招待された韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの4カ国脳会談や日米韓首脳会談、英国などとの2国間会談も調整している。首相は「NATOとの連携を新たなステージに引き上げたい」と公邸で語った。

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