安保理改革へ問われる手腕 日本、年初から非常任理事国

東京, 12月31日, /AJMEDIA/

 日本は年明けから、国連安全保障理事会の非常任理事国に就く。任期は2024年末までの2年間で、16~17年以来の12回目の大役を担う。1月には安保理議長国も務める。常任理事国の一角を担うロシアのウクライナ侵攻で深刻化した安保理の機能不全にどう対処していくのか、日本の外交手腕が問われる2年間となりそうだ。
 岸田文雄首相は26日の講演でロシアの侵略行為に触れ、「自ら国際秩序を破ろうとしている」と非難。日本政府の課題に関し「非常任理事国として国連の機能を回復させるため、改革を進める役割を担っていく」と意欲を示した。
 安保理は22年、ウクライナ危機や北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射への対応を巡り、常任理事国が米英仏と中ロに分かれて激しく対立。拒否権を持つ5カ国が意思統一できず、機能の限界を露呈した。
 林芳正外相は27日の記者会見で「安保理改革実現に向けた行動を開始すべきだ」と強調。だが、現状は「ウクライナ侵攻への賛否で各国が踏み絵を踏まされている」(日本外務省関係者)と言え、加盟国が一致した行動を取れるかは見通せない。
 日本が前回、議長国を務めた17年12月には、当時の河野太郎外相が北朝鮮の核・ミサイル開発に歯止めをかけようと閣僚級会合を開いたが、北朝鮮の態度を変えさせることはできなかった。今回も、日本が主導してロシアに影響力を及ぼすのは容易ではなさそうだ。
 1月12日には、林氏が議長として「法の支配」をテーマに安保理の閣僚級公開討論を主宰する。外務省関係者は「敵味方に分かれないのがポイントだ。国連憲章や国際法に反対する国はほとんどいない」と狙いを説明しており、まずは基本的な価値観の共有を目指す。こうした取り組みを通じて各国の一致点を探り、安保理改革への足掛かりとしたい考えだ。

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