参院選改革、25年施行目指す 各派初協議、難航必至

東京, 11月17日, /AJMEDIA/

 参院の与野党各会派は16日、尾辻秀久議長の下に改めて設置した参院改革協議会の初会合を国会内で開き、参院選挙制度改革を巡る議論をスタートさせた。7月の参院選の「1票の格差」を「違憲」「違憲状態」とする高裁判決が相次ぐ中、2025年参院選からの新制度導入を目指すが、各党の見解は隔たりが大きく、難航は必至だ。
 初会合では今後の基本的な進め方を確認。この後、座長を務める自民党の世耕弘成参院幹事長は「次回の参院選に間に合う形で成案を得るべく努力を続けたい」と記者団に語った。
 参院選挙区を巡っては、16年から「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区、19年から埼玉の「2増」が実施され、最大格差は3.08倍、3.00倍に縮小。最高裁はこうした取り組みを評価し、双方とも「合憲」との判断を示している。
 しかし、今年7月の参院選は制度改正を経ないまま行われ、最大格差は3.03倍。その結果、全国16件の「1票の格差」訴訟のうち、仙台高裁は「違憲」と判断した。8件は「違憲状態」で、「合憲」は7件だった。各会派が「改革を実現しなければ最高裁からも厳しい評価を受けかねない」(自民幹部)と危機感を強めるのはこのためだ。
 とはいえ、選挙制度は各党の消長に直結するだけに、結論を出すのは容易ではない。自民、立憲民主両党はこれまでの協議で、合区の解消と都道府県単位の選挙区維持を主張。公明党と日本維新の会は全国11ブロックの大選挙区制を提唱し、共産党は10ブロックの比例代表制に言及している。
 山東昭子前議長の下で設置された協議会は今年6月に報告書をまとめたが、選挙制度改革について「各会派の考え方に異同がある」として結論を先送りした。
 衆院でも選挙制度の抜本改革を目指す動きが出ているため、衆参で連携して議論を進め、両院の役割分担を踏まえた改革を実現すべきだとの意見もある。立民の田名部匡代参院幹事長は記者団に「どうしたら(隔たりを)埋められるか教えてほしい」と意見集約の難しさを認めた。

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