北海道で与野党対決 大阪は市長とダブル選―山梨、徳島で自民分裂・23年知事選展望

東京, 1月2日, /AJMEDIA/

 2023年は4年に1度の統一地方選が4月に行われる。このうち知事選は9道府県で実施され、北海道で自民、公明両党が前回推薦した現職と、立憲民主党など野党が擁立する候補による与野党対決が予想される。大阪は知事・市長のダブル選。地域政党「大阪維新の会」の候補の対抗馬を自民など「非維新」勢力が擁立できるかが焦点となる。
 前哨戦と位置付けられる1月の山梨と2月の愛知に続き、統一選本番として行われるのは北海道、神奈川、福井、大阪、奈良、鳥取、島根、徳島、大分の各知事選。4月9日に投開票される予定だ。山梨と徳島では自民が保守分裂選挙となる見込み。
 ◇非維新、候補選び難航
 北海道は、鈴木直道知事(41)がまだ態度を表明していないものの、自民、公明の支援を受け再選出馬するとみられている。立民は与野党対決に持ち込むため、他の野党との統一候補を視野に対抗馬の擁立に向け準備を進めている。自営業の門別芳夫氏(61)が出馬を表明している。
 大阪は、大阪維新の会代表を務める吉村洋文知事(47)が再選出馬を表明。維新は、知事選と同時に行われる大阪市長選には、政界を引退する松井一郎市長(58)の後継候補として府議の横山英幸氏(41)の擁立を決めた。
 自民などは有力な対抗馬を擁立し、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致をはじめ、維新が進める政策の是非をダブル選で争点化したい考えだ。しかし、知事選、市長選ともに候補の選定が難航しており、擁立にこぎ着けられるのか不透明な状況だ。
 山梨は、再選を目指す長崎幸太郎知事(54)を自民、公明が推薦。自民を離党した元県議の志村直毅氏(53)も立候補を表明し、事実上の保守分裂選挙となる見通し。れいわ新選組や共産党県委員会などが支持する市民団体代表の倉嶋清次氏(74)も手を挙げている。
 徳島も前回に続き、保守分裂選挙となる可能性がある。自民の三木亨参院議員(55)が出馬を表明。同党の後藤田正純衆院議員(53)も立候補の意向を固めている。5期目の飯泉嘉門知事(62)は態度を明らかにしていない。
 ◇愛知・福井・島根で相乗り
 大分は、5期目の広瀬勝貞知事(80)の退任に伴い、新人同士の争いとなる。佐藤樹一郎大分市長(65)と安達澄参院議員(53)が名乗りを上げている。
 愛知の大村秀章知事(62)と福井の杉本達治知事(60)、島根の丸山達也知事(52)は出馬を表明しており、それぞれ共産を除く与野党が相乗りする構図。神奈川は黒岩祐治知事(68)が4選出馬を表明。自民県連が支援する。いずれも4期目の奈良の荒井正吾知事(77)、鳥取の平井伸治知事(61)は態度を明らかにしていない。
 奈良は元総務省官僚の平木省氏(48)が出馬を表明。田原本町の森章浩町長(47)が、荒井氏が出馬しない場合、立候補する意向を示している。
 統一選後では、青森、群馬、埼玉、岩手、高知が年内に任期満了を迎える。群馬の山本一太知事(64)は既に再選出馬を表明している。青森の三村申吾知事(66)、埼玉の大野元裕知事(59)、岩手の達増拓也知事(58)、高知の浜田省司知事(59)は態度を明らかにしていない。
 現在5期目の三村氏、4期目の達増氏が出馬する場合は、「多選」が争点になる可能性がある。岩手では、元県議の千葉絢子氏(44)が無所属での出馬を表明した。
 ◇札幌、五輪招致争点に
 政令市長選は2月に北九州、統一選で札幌、相模原、静岡、浜松、大阪、広島、6月に堺で予定されている。札幌は、秋元克広市長(66)が3選出馬を表明。市が目指す30年冬季五輪・パラリンピックの招致の是非が争点となりそうだ。北九州と静岡、浜松は現職が不出馬を表明し、新人同士の争いとなる見通し。

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