力量問われる「バランサー」 山口那津男・公明党代表【党首奮戦記】

東京, 6月26日, /AJMEDIA/

 「日本の安全保障、ウクライナを見ると人ごとじゃない。真に必要な防衛力を強める」。公示日の22日、横浜市のJR桜木町駅前。元防衛大准教授の候補と並んで拳を空に突き上げた。「平和の党」を掲げる公明党が軍事に触れるのは珍しい。背景には、安保に対する支持者の不安の高まりがある。
 6月上旬、党員から「現実に危機がある。日本の対抗手段を強めないといけない。憲法改正もしっかり議論してほしい」と迫られた。これに応えるように防衛力強化を公約の柱に据え、自衛隊憲法明記の「検討」も打ち出した。
 アクセルを踏む一方、保守派の前のめりな発言が目立つ自民党に対してブレーキ役にならなければいけないという思いは強い。街頭では平和外交の重要性を説き、核政策に関し「抑止力に頼るのは時代遅れ」と訴える。
 敵基地攻撃(反撃)能力の保有も今の論点。国民の安心と安全を確保しつつ、軍拡競争には陥らない―。矛盾しそうな二つの命題をバランス良くどう両立させるか、力量が問われる。

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