二階・世耕氏が「代理戦争」 和歌山知事選で自民対応混迷

東京, 9月14日, /AJMEDIA/

 11月の和歌山県知事選をめぐる自民党の候補者選考作業が混迷を極めている。党県連は新人擁立を正式に決めていたが、この動きを主導したとされる世耕弘成参院幹事長は13日、事実上の断念を表明した。同じ和歌山選出の二階俊博元幹事長との主導権争いが背景にあるとみられている。
 知事選には前国民民主党衆院議員の岸本周平氏(66)が出馬を表明済み。これに対し、県連は3日、和歌山出身の青森県総務部長、小谷知也氏(43)の擁立を決めていた。しかし、世耕氏は13日の記者会見で「状況が変わった。出馬をお願いできる状況にない」と明言した。
 小谷氏は総務省出身。安倍・菅政権時代に首相秘書官付や官房副長官秘書官を務めた経験もあり、複数の関係者によると、世耕氏が白羽の矢を立てた。世耕氏は6日の会見で「今後、党本部推薦をもらうべく手続きを粛々と進める。若手を中心に選対を組みたい」と意欲を見せていた。
 しかし、事態は一変した。県町村会が8日、世耕氏らに反旗を翻し、岸本氏の推薦を決定。二階氏が影響力を持つ農業や建設関係の業界団体などにも追随の動きが広がり、一枚岩で小谷氏を支援できる状況ではなくなった。町村会などの離反の背後には、県連会長の二階氏の影がちらつく。世耕氏に主導権を奪われまいと動いたとの見方がもっぱらだ。
 和歌山県は衆院小選挙区の「10増10減」で定数1減が見込まれており、二階氏側と衆院くら替えを模索する世耕氏の公認調整は難航必至とされる。党関係者は「2人の代理戦争。行方は今の2人の力関係に直結する」と指摘した。
 小谷氏擁立を断念すれば、県連は岸本氏を推すか、自主投票とするかの対応を迫られる。世耕氏は会見で岸本氏推薦の可能性を問われ「慎重な意見が多かった」と二階氏をけん制した。梶山弘志幹事長代行は13日の会見で、知事選対応について「まだ発表できる段階にはない」と述べるにとどめた。

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