ウクライナ避難民受け入れ開始 8人入国、支援態勢づくり加速―政府

東京, 3月9日, /AJMEDIA/

 ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、岸田文雄首相が表明したウクライナ避難民の日本国内受け入れが8日までにスタートした。日本政府はどの程度のウクライナ人が来日を希望するのか読み切れていない。ただ、情勢次第では希望者が増え、避難が長期化することもあり得るとみて、生活支援などの態勢づくりを加速させる方針だ。
 松野博一官房長官は8日の記者会見で、ウクライナ避難民8人が既に日本に入国したことを明らかにした。
 首相が避難民受け入れを表明したのは2日。ウクライナから100万人以上が押し寄せるポーランドとの電話首脳会談で、「親族や知人が日本にいる方々」だけでなく、その他の人々の希望にも「人道的な観点から対応していく」と語った。
 これを受け、政府は避難民のビザ(査証)申請手続きを簡略化し、ポーランド、ルーマニア、モルドバ、ハンガリーなどの在外公館で90日間の短期査証の発給を開始。まずは日本人・在日ウクライナ人の親族8人が7日までに入国した。
 政府関係者によると、短期滞在の在留資格が切れた場合は、就労可能な6~12カ月間の特定活動の在留資格を認め、情勢改善まで更新を続ける対応を想定している。以前から在留するウクライナ人には、強制退去命令が出ている場合も含め、在留期間の延長を柔軟に認める方針だ。
 今後の課題は支援態勢づくりだ。特に親族や知人が日本にいない避難民には、住まいの確保をはじめ、きめ細かいサポートが必要になる。避難生活が長期化すれば就労や就学を手助けする必要も生じる。政府は省庁横断で検討を急いでいる。
 避難民から難民認定申請があれば、どこまで認めるかも焦点。認定制度が導入された1982年以降、8万5479人の申請者に対して認定者は841人。難民条約の解釈が厳格過ぎるとの批判もある中、政府はウクライナ避難民についても「適切に認定する」との立場を変えていない。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナからの避難民は既に200万人超。数カ月で400万人に達するとの見方もある。日本政府は在日ウクライナ人(昨年末時点で1915人)の親族や知人が来日する可能性があるとみているが、どこまで膨らむかは見通せていない。

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