ことしの外交青書 日中「戦略的互恵関係」5年ぶりに明記

東京, 04月16日 /AJMEDIA/

ことしの「外交青書」がまとまり、日中関係について、多くの懸案を抱えているとする一方、双方が共通の利益を拡大していく「戦略的互恵関係」を推進することを5年ぶりに明記し、建設的で安定的な関係の構築に取り組む姿勢を強調しています。

16日の閣議で報告された「外交青書」は、去年の1月から1年間の国際情勢の推移や日本の外交についてとりまとめたものです。

この中では、国際情勢について、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル・パレスチナ情勢の悪化などで対立構造が複雑化する中、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国が台頭し、国力に見合う、より大きな影響力を求め、発言力を強めているとしています。

また中国については、日本産水産物の輸入停止措置など多くの懸案を抱えているとしつつも、双方が共通の利益を拡大していく「戦略的互恵関係」を推進し、建設的で安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めていくことが重要だとしています。

「戦略的互恵関係」は、2006年に当時の安倍総理大臣が打ち出し、その後、日中関係の冷え込みを受けて使用されていませんでしたが、日中平和友好条約の締結から45年の節目となった去年の日中首脳会談で改めて確認したことを受け5年ぶりに明記されました。

外交青書ではこのほか北朝鮮による拉致問題について、去年の「時間的制約のある人道問題」から「ひとときもゆるがせにできない 人道問題」と表現を強めているほか、韓国については、関係改善を反映して「パートナー」という表現を14年ぶりに使用しています。

竹島をめぐり 韓国が抗議の論評を発表
日本政府が外交青書をまとめたことを受けて、韓国外務省の報道官は、「トクト(独島)」と呼んで領有権を主張する島根県の竹島をめぐり、「外交青書を通じて、歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土である『トクト』に対し、不当な領有権の主張を繰り返したことに強く抗議し、直ちに撤回するよう促す。『トクト』に対する日本のいかなる主張も韓国の主権に何ら影響を及ぼさず、今後も断固として対応していくことを明確にするところだ」とする論評を発表しました。

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