「小さく切り、水分と一緒に」 高齢者、餅で窒息死に注意―専門家

東京, 12月30日, /AJMEDIA/

 間もなく訪れるお正月。ただ例年、餅を喉に詰まらせて亡くなる高齢者が後を絶たない。かむ力や飲み込む力が弱まっているためで、専門家は餅を小さく切った上で、水分を取りながら食べるよう呼び掛ける。
 厚生労働省の人口動態調査を消費者庁が分析したところ、餅による窒息事故で死亡した65歳以上の高齢者は2018年が363人、19年が298人で計661人だった。こうした死亡事故の約43%が1月に起きており、特に正月三が日が約19%と集中していた。
 年齢別では、最多は80~84歳の168人で、85~89歳160人、75~79歳108人が続いた。消費者庁によると、餅による窒息死が1月に集中し、80代に多いといった傾向は毎年変わらないという。
 国際医療福祉大の志賀隆主任教授(救急医学)は「高齢者は飲み込む力などが弱くなっている。餅の味わいは減るかもしれないが、一辺1センチ未満に細かく切って」と指摘。「気道に貼り付くのを防ぐため、食べる前にお茶を飲んだり、お雑煮などとして食べたりしてほしい。よくかむことも重要」と話す。
 志賀主任教授は「喉に詰まった場合に備え、一人で食べないで。周囲にいる人は高齢者が苦しそうにするなどの異変があればすぐに救急車を呼ぶことが大事だ。背中を強くたたくなどの応急手当ても有効で、やり方を事前に確認しておいて」と訴える。

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