「スノーモンスター」分布縮小 温暖化で東北のみに―山形大

東京, 2月4日, /AJMEDIA/

 巨大な姿から「スノーモンスター」の愛称で知られる大型の樹氷について、山形大蔵王樹氷火山総合研究所の柳沢文孝名誉教授は3日、新たに発見した文献や写真などから、1950年代までは北海道や新潟、富山、石川、長野各県にも分布していたことが分かったと発表した。地球温暖化の影響で分布が縮小し、現在は東北地方でしか見られないという。
 柳沢氏によると、大型の樹氷は、かつて北海道から石川県までの日本海から50~60キロまでの内陸に分布していた。現在は気候変動の影響で、東北6県にある八甲田山、八幡平、森吉山、蔵王連峰、吾妻山の5山域のみで観測できる。
 樹氷は針葉樹の葉の上に過冷却水滴と雪が一体化し、塊になることで形作られる。温暖化により、新潟県以南では樹木全体を覆う樹氷ができにくくなった。北海道も条件の整う標高が森林限界より高くなったため、形成が難しくなったという。
 柳沢氏は大型の樹氷について、「1960年代から、温暖化で北と南から(分布の)縮小が続いている」と指摘。「このままの気温上昇が続けば、今世紀末には樹氷を見るのは難しくなるのではないか」と警鐘を鳴らした。

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