「インド太平洋」計画、来春策定 巡視船供与など2680億円支援―岸田首相、アジア安保会議で講演

東京, 6月11日, /AJMEDIA/

アジアや欧米各国の防衛担当閣僚らが集い、地域間の諸課題を議論するアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)が10日、シンガポールで開幕し、岸田文雄首相が基調講演した。首相は日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋」構想に関する行動計画を来年春までに策定すると表明。インド太平洋諸国に巡視船を含む海上安保設備を供与するなど、3年間で約20億ドル(約2680億円)の支援を行うと打ち出した。
 日本の首相が基調講演を行うのは、2014年の安倍晋三氏以来。
 首相はロシアのウクライナ侵攻を「国際秩序の根幹を揺るがす事態」と非難。また、中国の名指しを避けつつ、「東シナ海で一方的な現状変更の試みが続いている」とし、「わが国は断固とした態度で立ち向かっている」と強調した。台湾海峡の平和と安定の重要性にも言及した。
 首相は「『平和のための岸田ビジョン』を進め、日本の役割を強化する」と明言。今後は政府開発援助(ODA)を拡充し、海上法執行能力強化やサイバーセキュリティーの分野で支援に乗り出す方針を示した。
 日本の防衛力に関し、首相は「5年以内に抜本的に強化する。防衛費の相当な増額を確保する」と重ねて表明した。シンガポールとは防衛装備品・技術移転協定の締結に向け、交渉を開始する方針を明らかにした。

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