自民、維新の勢い警戒 統一選前半戦、補選に波及も

東京, 4月4日, /AJMEDIA/

9日投開票の統一地方選前半戦で、自民党が日本維新の会の戦いぶりを警戒している。維新が地盤とする大阪の府知事・市長選だけでなく、隣接する奈良の知事選でも優勢との見方が浮上。23日には和歌山で衆院補欠選挙の投開票があり、維新の勢いが波及しかねないとの危機感からだ。
奈良知事選は、自民県連推薦の元総務官僚、5期目を目指す現職、維新公認の元同県生駒市長が「三つどもえ」の戦いを繰り広げる。週末に一部報道機関の情勢調査で「維新一歩先行」と伝えられ、自民内では「勢いを付けると危険だ」(党関係者)と衝撃が走った。
 背景には、自民が候補者調整に失敗したことがある。現職がまだ去就を明確にしない段階で、県連は会長・高市早苗経済安全保障担当相の総務相時代に秘書官を務めていた元総務官僚を擁立。「保守分裂」を招いた。維新幹部は「奈良は大阪と親和性が高く、チャンスは大きい」と「漁夫の利」を狙う。
 自民が危惧するのは、奈良知事選の結果が続く衆院和歌山1区補選に影響することだ。
 和歌山補選で、自民は元衆院議員、維新は和歌山市議をそれぞれ擁立。自民内には、候補者調整のもつれから「一枚岩になり切れていない」と結束を不安視する声が漏れる。対する維新は「奈良で勝ったら必然的に和歌山も追い風になる」(幹部)と手応えを口にする。
 統一地方選や衆参補選を巡り、岸田文雄首相(自民党総裁)は3日の役員会で「一致結束して勝ち抜きたい」と強調。一方、維新の馬場伸幸代表は松山市の街頭演説で「防衛費や少子化対策で次の世代にツケを回すのが今の政府・自民党だ」と対決姿勢を鮮明にした。

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