想定外の物価上振れ 賃上げ伴う「好循環」不透明―日銀

東京, 7月7日, /AJMEDIA/

 日銀が2022年度の物価上昇率見通しについて、2%台への上方修正を検討する。原油高や円安を受けた原材料価格の高騰を背景に物価が上振れしており、期せずして目標の2%が現実のものとなりそうだ。ただ、日銀が目指す賃上げを伴った経済の「好循環」の実現はいまだ見通せない。
 世界的なインフレ進行で欧米の中央銀行は金融引き締めに転じている。一方、日銀は「原油高など供給側の要因による物価上昇は長続きしない」(幹部)との立場。現時点での利上げはコロナ禍からの景気回復を阻害しかねず、現在の大規模金融緩和策を堅持する構えだ。
 しかし、利上げを加速させる海外との金利差が拡大すれば、さらなる円安を招いて輸入に頼るエネルギーや原材料の一段の価格上昇につながる恐れもある。食料品やガソリンなど生活必需品の相次ぐ値上げは、家計の消費を冷え込ませかねない。日銀が狙う緩和継続による本格的な景気回復の実現は、今後の賃上げがカギを握っている。

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