急速な円安「ロシアの影響」 共同声明、けん制効果は不透明―日米財務相

東京, 7月13日, /AJMEDIA/

 日米両政府は鈴木俊一財務相とイエレン米財務長官による会談後の共同声明で、急速な円安・ドル高が進む市場の動きをけん制、「ロシアの侵略による経済的な影響が為替相場の変動を高めている」と警戒感を示した。ただ、協調演出による「口先介入」の円安是正効果は不透明だ。
 日米財務相会談で共同声明を出すのは極めて異例。鈴木、イエレン両氏は4月の米ワシントンでの会談で為替安定に向けた「緊密な意思疎通」を確認したが、今回は「為替問題について適切に協力する」と表現を一歩進めた形だ。
 12日の東京外国為替市場では、一時1ドル=137円台半ばと約24年ぶりの水準まで円が下落した。鈴木氏は会談で急速な円安への「憂慮」を訴えており、声明には日本側の強い警戒感が反映されたとみられる。
 もっとも、米国はインフレを緩和させるドル高を歓迎しているとされ、日米が実際に円安・ドル高是正へ協調介入に踏み切る可能性は低い。異例の共同声明も、日米の金融政策の違いなどを背景とした円安進行を押しとどめられるか、実効性に疑問符が付く。
 一方、15、16両日に20カ国・地域(G20)がインドネシアのバリ島で開く財務相・中銀総裁会議は、ロシアもメンバーに含むため合意形成は困難。日米欧の先進7カ国(G7)も、ジョンソン首相が辞意を表明した英国など政権運営の不安定化が懸念される国もある。G20に先立ち日米主導で共同声明を出すことで、G7の結束を演出し、議論をリードしたい狙いもありそうだ。

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