岸田首相、リセット狙い裏目に 旧統一教会問題、強まる逆風

東京, 8月21日, /AJMEDIA/

 10日発足の第2次岸田改造内閣と自民党新執行部で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題が後を絶たない。岸田文雄首相としては、人事刷新で世論の批判をかわす狙いだったが、結果は裏目に出た格好で、かえって逆風が強まっている。
 「自ら(関係を)点検し、厳正に見直すことが新閣僚、党役員においても前提となる」。改造前日の9日、首相は記者会見でこう言い切り、教団との「決別」をアピールした。
 ところが、改造内閣で入閣・留任した少なくとも7人について、教団との接点が判明。首相の思惑は早々に外れた。
 党四役でも、経済産業相から転じた萩生田光一政調会長は、先の参院選東京選挙区の候補者だった生稲晃子氏(現参院議員)と共に6月、教団施設を訪れていたが、事実関係を認めたのは17日発売の週刊新潮が報じた後だった。選挙の支援要請が目的だったとみられる点でも問題は根深く、党内から「閣僚であれば進退問題だ」(ベテラン)との声が漏れる。
 首相自身、教団との関係を断ち切ると宣言すれば、事態が沈静化すると踏んでいた節がある。しかし、改造の表明から実施までの期間が短く、教団とつながりの深い候補者を洗い出す「身体検査」が徹底できなかったと、関係者は証言する。
 教団と接点を持つ自民党議員があまりに多く、「どこで線を引くか分からなかったのではないか」(党関係者)との見方もある。実際、今回入閣した高市早苗経済安全保障担当相は、改造前日に教団との関係を首相に伝えたが、任命方針は変わらなかったという。
 首相は21日で夏休みを終えて公務に復帰するが、野党は「旧統一教会内閣」(立憲民主党の泉健太代表)と徹底追及の構え。新型コロナウイルス感染拡大や物価高、ウクライナ・台湾情勢など課題が山積する中、政権運営のさらなる重荷となりそうだ。

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