国立競技場を支える照明とは–まぶしさへの配慮や4K8K対応を実現する工夫と技術

東京, 8月6日, /AJMEDIA/

 東京2020で数々の舞台となった新国立競技場だが、その内部にはアスリートファーストとそこで巻き起こる熱戦を高精細かつリアルに伝えるための照明設備が整えられている。従来の競技場とは異なる、まぶしさへの配慮や4K8K放送に対応した高演色性など、パナソニックが約2年の月日を費やして開発、設計した最新鋭の照明設備には、多くの工夫と技術がつまっている。

 新国立競技場は2019年に竣工。地上5階、地下2階の鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)で、敷地面積は10万9800平方メートル。最大で6万7750人の収容が可能だ。木材を多用していることが特徴で、全体を囲う木製ルーバーには、47都道府県の木材を使用している。

 「日本らしさを打ち出したデザインで木材を多く使用しているのが特徴。配色は森の中の木漏れ日を意識しており、すり鉢状の観客席はアスリートと観客の一体感を演出できる」と独立行政法人 日本スポーツ振興センター国立競技場事業課課長の渡部雅隆氏は説明する。風の流れを生かし、建物内を風が吹き抜ける構造になっているほか、屋根に落ちた雨水はスタジアム内にある植物への水やりに使うなど、自然を有効活用する仕掛けが施されているという。

 オープニングイベントを開催した2019年12月には、約6万人の観客を集めたが、2020~2021年と長引くコロナの影響を受け、東京2020オリンピック・パラリンピックも無観客で実施。2022年に入り、ようやく有観客でのスポーツイベントができるようになってきたという。

 数々のスポーツイベントを、照明の面から支えているのがパナソニック エレクトリックワークス社だ。競技場の照明設備を手掛けたのは、ライティング事業部のエンジニアリングセンター。「ひとことで説明すると照明を設計する部隊。企画段階から納入後までプロジェクトで参画し、照明の空間価値を提案し、快適でエコな環境を実現させるのがミッション」とパナソニック エレクトリックワーク社ライティング事業部屋外照明ECの栗本雅之氏は役割を説明する。

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