参院予算委 政治資金問題や能登半島地震への対応で論戦

東京, 03月26日 /AJMEDIA/

国会は参議院予算委員会で集中審議が行われ、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題や能登半島地震への対応について論戦が交わされました。

水道の災害対策めぐり
自民党の山本佐知子氏は水道の災害対策をめぐり「水道工事はもうからず、厳しい状況の中で業者も減っているのが地方の現状だ。人口減少の中で暮らしの重要なインフラである水道事業をどう維持していく考えか」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「今回の能登半島地震でも復旧に時間を要しており、上下水道の施設や管路の耐震化対策など重要な課題が明らかになった。新年度予算案にも基盤強化などに資する補助制度の創設を盛り込んでおり、災害に強く持続可能な上下水道事業を実現していく」と述べました。

自民派閥の政治資金パーティーめぐる問題について
立憲民主党の石橋通宏氏は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「全く事実の解明がなされず、総理自身のリーダーシップの欠如と言わざるをえない。『適材適所』と言うが、自身が最も『不適材、不適所』ではないか。責任ある立場の『裏金議員』に証人喚問に応じるよう指示すべきだ」と迫りました。

これに対し、岸田総理大臣は「捜査権のない中で努力を続けてきており、党としても今週さらなる事実解明に向け聴き取り調査を行っていく。そのうえで証人喚問は国会での弁明などを踏まえ日程などを含め、国会で判断すべきことだ」と述べました。

一方、石橋氏は、二階元幹事長が次の衆議院選挙に立候補しない考えを明らかにしたことについて、「これによって二階氏の処分がなくなるのか。国民への説明責任から逃れられるわけではない」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「処分などは今週また、必要な聴き取り調査を行った上で党の手続きに基づいて判断していく。今の段階では何も決まっていない」と述べました。

「選択的夫婦別姓」めぐり
公明党の石川博崇氏は、希望すれば結婚前の姓を名乗れる「選択的夫婦別姓」をめぐり「最高裁判決では『制度のあり方は国会で論ぜられ、判断されるべき事項にほかならない』とされ、国会に判断が求められている。議論を加速化させて結論を出す時期が来ているのではないか」と質問しました。

これに対し、岸田総理大臣は「社会全体の家族のあり方に関わる問題なので、より幅広い国民の理解を得る必要がある。それぞれの立場で、今の現状を踏まえて国民に働きかけ理解を得る努力をしていくことが求められている」と述べました。

総理・総裁の処分について
日本維新の会の音喜多政務調査会長は「『裏金作り』とは質が異なるとはいえ、自身が率いた岸田派も会計責任者が立件されている。党の所属議員たちに厳しい処分を下すなら、総理・総裁も例外とせず、みずからも処分を受けるべきではないか」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「派閥全体にわたる還付などの不記載とは全く次元が異なり、会計責任者は他の派閥のような公判請求ではなく略式命令になっている。トップの責任については党としての手続きや判断は尊重されなければならないが、それ以上の仮定に基づいた答えは控える」と述べました。

そのうえで「処分を受けた場合でも続投する考えか」と問われ、「私自身としては党の信頼回復のため、総裁として最大限、努力を続けていきたい」と述べました。

一方、過去に党総裁が処分されたケースがあるか問われ、岸田総理大臣は「自民党の歴史の中で現職の総裁が処分された事例はない」と述べました。

り災証明書について
国民民主党の浜口政務調査会長代理は「能登半島地震の発生からおよそ3か月が経過した。り災証明書はこれからの被災地の復旧・復興に向けて欠かすことができない第1ステップだ。発行状況はどうなっているか」と質問しました。

これに対し岸田総理大臣は「簡易な外観調査による迅速な1次調査を基本とし、現在、被災自治体では申請数の8割から9割を超えるり災証明書の交付が完了している。2次調査や再調査にも丁寧に対応し、被害認定調査が適切に行われるよう国としても積極的に支援する」と述べました。

追加の聴き取りの対象について
共産党の紙智子氏は「関係議員の処分のためにアリバイ作りの聴き取りをやるのであってはならない。真相解明のために行うのであれば、『裏金問題』の経緯を知るキーパーソンと思われる森元総理大臣からもしっかり聴取することを約束してほしい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「党として予定している追加の聴き取りの対象や、やり方については今、調整を行っているところだ。多くの国民の関心事に応えるため、聴き取りのやり方について適切に判断する」と述べました。

能登半島地震への対応めぐり
れいわ新選組の山本代表は、能登半島地震への対応をめぐり「携帯トイレなどの国によるプッシュ型支援は、終了するどころか増やさなければいけないフェーズだ。被災した市町村や住民、ボランティアの声を聞き、支援の継続と増強を約束してほしい」と訴えました。

これに対し、岸田総理大臣は「プッシュ型支援が終了しても、自治体で発注が困難な場合は調達の手続きを支援するなど、国としても、円滑な調達を行うための協力はしっかりと継続していく」と述べました。

少子化対策の「支援金制度」めぐり
一方、少子化対策の「支援金制度」をめぐり、岸田総理大臣は、制度の導入で新たな負担が生じるのではないかと問われ「負担が増えるか増えないかを単に精神論だけで言うのでは通用しないので『社会保険料の負担率』という数字的な目標を用意している。歳出改革で社会保険料の負担を軽減し、その枠内で新しい支援金を用意することで『負担は増えない』と説明しており、これを実行する」と述べました。

また鈴木財務大臣は、制度への拠出が税務上、控除の対象になるかについて、個人の所得税や住民税では社会保険料控除として所得控除の対象となり、事業主の法人税では法定福利費として損金に算入されると説明しました。

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